今朝の毎日新聞書評欄、星野興爾『世界の郵便改革』を評した伊藤光晴の書評にかわいらしいエピソードを見つけた。この本はタイトルどおり世界各国の郵政改革について書いている本なのだが、
この本の面白さは、こうした改革を追うだけでなく、イギリスやアメリカなどの郵便事業の小史にふれているところにある。エピソードはさらに面白い。十九世紀イギリスでは郵便局内のネズミを取る目的でネコが飼われ、一匹あたり五ペンスが支給され、そのネコの首輪にHMSPOC(女王陛下の郵便局ネコ)と書かれたメダルがつけられていたという。そして一九五二年、このネコの手当が一八七三年以来変わらないのは不当という新聞論説がきっかけで、八三年ぶりに昇給されたという。(略)ただし、時代は変り、一九八四年をもってこのネコ制度は廃止されたという。
女王陛下の郵便局ネコ! うーんたまらん! しかしそれでも1984年までこの制度が続いていたというのは驚きだ。ついこないだまで、イギリスの郵便局に行くと必ず猫がいたということなんだろうか? こんど同僚のイギリス人に聞いてみよう。
- 作者: 星野興爾
- 出版社/メーカー: 郵研社
- 発売日: 2004/08
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る