NGM+その他の欲望

日々のサムシングについてのスクラップブック。

マルシー・ラ・ヴィ

 こないだの村上隆ナルミヤ訴訟の話題のとき(http://d.hatena.ne.jp/msrkb/20060426/DOB)書いておこうと思って忘れてた話。
 一、二年ほど前のこと。仕事でローティーンの女の子向けファッションとかコスメに関係する案件が来た。普段やってる仕事とはまったく異質の案件だったので、とりあえず資料として、その層向けのファッション誌を何誌か買ってきた。ははあなるほど、こんなことになってるのかーと感心しながらページをめくっていたのだが、その中でどうしてもわからないところがあった。モデルの女の子の名前のあとに、必ず「(C)」、Copyrightを表すマルシーマークが入っているのだ。しかもほとんどすべての雑誌で。「ギャザーが入ったキャットガールのプリントTに、ハンドメイドでしあげたデニムできめて、もうチヒロ(C)はロックスター気分一直線!」とかね。
 同僚と、この「(C)」は何なのかという話になって、延々議論した。そういう芸名のモデルなんじゃないか(全員についてるので却下)、じゃあグループか何かで……(読者モデルにもついてるので違うだろう)、あ、モデル事務所が所属モデルの名前を商標登録してるんじゃないの?(もちろんそれなら(C)ではなく(R)なので間違い)、この雑誌のハウスルールで著作権表記は本文中に埋め込むとか!(そんなわきゃない。だいたいほとんどすべての雑誌でやってる。ていうかモデル個人がひとりひとり権利持ってるのかよ。ていうか何の著作権よ)、ほら、「私の顔を盗まないでください」とかキャンペーンやってたでしょ*1、あれ関係のアピールとか(そりゃ肖像権だ)……。結局わからずじまい。
 しばらくたって、ひょんなこと*2からこの「(C)」の意味が判明した。わかってみると「なんだそんなことか!」というようなことだ。
 この「(C)」は、「ちゃん」と読むのだ。つまり、「チヒロ(C)」ってのは「チヒロちゃん」というわけ。ええと……僕が若い頃の表現だと「Chang」みたいなもの……かな……?(もう三十路も近いので多少躊躇しながら書いてます)。
 若い人や、Eメールといえばケータイメールのこと、という人には自明のことかもしれないのだが、そんな発想はまったく出てこなかったのでちょっと虚を突かれた……ってことを、CopyrightがらみということでDOB君盗作訴訟のニュースを読んだときに思い出したのだ。
 「功利主義で、文化発展への尊敬の念乏しき,文化の民意が著しく低い国。それが日本です」by 村上隆(C)

*1:ちょうどその時期だった

*2:さそうあきらコドモのコドモ』を読んでたらこの表現が出てきて、そこで初めて意味を知った。