NGM+その他の欲望

日々のサムシングについてのスクラップブック。

『トゥモロー・ワールド』のあれ

 こないだ見てきた。面白かったよ。CGだって話だけど、ああいう(カメラがぐるんぐるん動いて状況がどんどん遷移していく)長回しは、そういう手段を選択しちゃうことそのものがある種の目的でもあるんで(どういう種類のかっていうと、まあたぶん作ってる人の「映画」観とか「時間」観とかそういうの)、もう素直にわはーわはーと口半開きになりながら見てればいいと思うのです。
 あんまりストーリーがどうこうという種類の映画じゃないと思ったが、ひとつだけ。ラストのあの展開、ストレートに「希望」だと取るかそうじゃないと取るかでわりと分かれそう。僕は基本的にゾンビとお姉ちゃんのおっぱいと乱暴な黒人のジョークが出てくる映画が好きなので(あと童貞が不思議少女に振り回される映画が好きです)、あの霧の中からやって来た船はキチガイ博士が乗ってる幽霊船で赤ん坊と若い母親は世にも恐ろしい(具体的に言うと森山塔の「大密林のおかず」みたいな)人体実験の餌食にされてしまうのです……まさに「ヒューマン・プロジェクト」! それじゃなかったらあの船は黒沢清の『回路』で役所広司が船長やってた船です。『回路』の世界から映画時空を超越してやってきました。どっちの映画の世界も「終わってる」のは同じなので大丈夫なのです(何が)。ネタバレにつき反転。