90年代末頃にたまたま何回かちらっと見たアニメのED曲がずっと気になっていた。でも、何の気なしにテレビをつけたら流れていたとかそんな感じで、見ようと思って見ていたわけではないのでその番組のタイトルさえ憶えてない。確か比較的低年齢層向けのアニメだったと思うんだけど、まあそれくらいしか憶えてない(たぶん、アニメ本編はほとんど見たことないんだと思う)。
なんかこう、妙にメランコリックなメロディで、女性のウィスパーボイスの歌声が少々どぎまぎするくらいセクシャルな媚びがあって、アニメのエンディングテーマとしてはけっこう異色というか、少なくともそのアニメには似つかわしくない、でもたいへん良い……という感じの印象だけが残っていた。
そんなわけで調べてもなかなか判明しなかった。が、やっとわかった! 『赤ちゃんと僕』の後期エンディングテーマ「ルージュになりたい」だった。歌は梶谷美由紀、作詞は本人とサエキけんぞう、作曲は朝本浩文。
アニメ版『赤ちゃんと僕』は96年7月から翌97年3月までテレ東系で毎週木曜19時から放映、「ルージュになりたい」が新エンディングテーマになる24話(97年1月8日放送)からは毎週水曜18時からの放映だったそうだ。なんとなく、俺の記憶では土曜日の夕方くらいに聴いた記憶があって、その時間帯の番組のエンディングテーマをずーっと調べてたんだけど、それは間違いだった。曲の雰囲気がなんかこう、土曜日の夕方っぽいからそう思い違いをしてしまったんだね(超主観的印象)。
ところでこの曲、かなり直球でレズビアンのラブソング、それもプラトニックなものではなく性愛を描いたものなんだな。まあ「ルージュになりたい」と唄っているわけだから相手は女性なのは自明なのだが。
欲しいものはすべて
あななたの中すべて
赤い血のなか 探検したい
会えるたび過激になる
好きだよ あなたのルージュになりたい
乾くくちびる ひとりじめしたい
熱いキスならもっと
あなたも濡れるきっと
決定的瞬間のがしてる
技術がうまくないから
私の知らない昔の Girl Friend
なぜか気になって 朝焼けに眠れない
どんなひと 好きだった?
きっと わたしとは ちがうでしょう
アニメのEDのMixでは直接的な描写の歌詞は避けられていたそうなんだけど、確かに本歌がこういう感じなら、低年齢層向けのアニメのはずなのになんでこんなセクシャルな雰囲気がする歌が流れてるんだろう……? と当時の自分の印象に残るのも当然だな。(2021/08/06 追記:アニメのEDがYouTubeにUPされていたので、埋め込みを追加。比べてみてください)
「ルージュになりたい」は梶谷美由紀の以下のアルバムに収録(サエキけんぞうプロデュース)。残念ながら現在は品切れのようだ。