NGM+その他の欲望

日々のサムシングについてのスクラップブック。

『ZUMA』は『パズループ』のパクリ?

 アメリカのカジュアルゲーム専門デベロッパーPopcup Gamesが盗作疑惑をかけられている。疑われているのはReal Arcadeなどでここ一年ほど高い人気を誇っているパズルゲーム『ZUMA』。何をパクったかというと、98年にミッチェルが開発しカプコンがアーケード用としてリリースした『パズループ』だ。
・IGDA Japan chapter - フォーラムでのこの件に関するスレッド(←ミッチェルの社長からの書き込みもあり)
・Classic 8-bit/16-bit Topicsのカジュアルゲーム市場についての記事(←Popcup Gamesの盗作疑惑については末尾に)
・PopCap Games
 日本ではあまりシェアウェアカジュアルゲーム市場が注目されていないのでPopcup Gamesを知らない人のほうが多いだろうが、例えデベロッパーの名前を知らなくてもここが作ったゲームを遊んだことがある人はけっこういるんじゃないだろうか。私もブラウザベースのゲームで遊んだものがいくつかあった。
 問題の『ZUMA』だが、デモ版を遊んでみたところ確かにそっくりだ。グラフィックの雰囲気は欧米向にアレンジされ、小さなフィーチャーがいくつか追加されているものの、基本的な部分がここまでそのまんまではパクリと言われてもしょうがないだろうし、実際にパクったのだと思う。ゲームのアイディア盗作は洋の東西、今昔問わずよくある話だが、一発アイディアが非常に大きなウェイトを占めるアクションパズルというジャンルでのここまでストレートなパクりで、しかもパクったほうが大きな評価を得てしまっているのだから事態は深刻だ。
 当事者間で現在どのような状況になっているのかはわからない。日本のReal Arcadeでは、今のところ『ZUMA』と『パズループ』の両方を配信している。『ZUMA』は日本でもランキング一位になるほどの人気のようだが、本家の『パズループ』は先日配信が開始されたばかりでランキング10位。後からのリリースだから、知らない人には『パズループ』のほうが『ZUMA』をパクったと見られてしまうだろう。なんてこった!
・RealArcade Japan
・Real Arcade版『パズループ』
・Real Arcade版『ZUMA』
 まったく悲しい話だ。アーケード版『パズループ』が大好きだった者としてはなんともやるせない気持ちになり、PS版『パズループ』を引っ張り出してきて昨夜はずーっとやっていた。ついでに酒も呑んでいたので悪酔いしてしまったぜー! おえー。


 『パズループ』は万人にお勧めできる良質のアクションパズルだ。でも残念ながら知名度は低い。アーケードでリリースされたのが98年で、細々とけっこう長いこと稼動していたと思うのだが……。2000年にPS版がリリースされたとき、発売日に店をまわってもなかなか見つからなかったおぼえがある。
 画面写真を見てもらえばそれだけでどういうルールのゲームなのかだいたいわかると思う。プレイヤーは画面中央に設置された砲台を操作し、渦巻状の導線に沿って進んでくる色とりどりのクリスタルを消していく。砲台からクリスタルを発射し、同じ色のクリスタルを3つくっつけると消えるというルールは、落ちゲーアレンジ進化の系譜に連なる誰でもすぐに理解できるものだ。
 ただ、本作における「落ちモノ」=クリスタルは、渦巻を描きながら常にゆっくりと進んでいるというところがポイント。「上から小分けに落ちてくるブロック」というシチュエーションとはまた一味違った圧迫感がいい。アクションパズルだが、どちらかというとパズルよりもアクション(むしろシューティング?)のほうに振られた味付けなので、ゲーム中は常に忙しくパニック状態にさせてくれるのが楽しい。
 改めてプレイしてみて感じたのは、このゲームの魅力の一部はSEにあるということ。クリスタルを打ち出すゴロゴロという音、クリスタル同士がぶつかるカコーンという音、クリスタルが消滅するときの小気味いい炸裂音。砲台の操作感が少し重めなのに加えて、このSEがゲームに独特のリズムをつけている。アーケード版では操作がスティックではなくボリュームコントローラタイプだったので、より「砲台の重み」を感じられてとても良かった。PS版では残念ながら方向キーでの操作のみ。せめて左スティックでぐりぐり動かせれば……とも思ったが、それだとあの重さは感じられないだろうから、これでいいのかも。


 ともかく、本家である『パズループ』がパクリゲーよりも知名度が低いのは非常にむかっ腹が立つので、よければ皆さんもPS版を探したりReal Arcadeで(デモ版だけでも)遊んでみてほしいです。さすがにゲーセンにはもう置いてなさそうだし。
 なお、ニンテンドーDSのロンチタイトルの一本、『直感ヒトフデ』はミッチェルの制作だそうだ。ハード発売から日が浅い頃にリリースされるパズルゲームには名作が多いっていう気がなんとなくするんだが(そのわりにはGBの『テトリス』とWSの『グンペイ』くらいしかぱっと思い浮かばないんだけど)、『直感ヒトフデ』もなんとなーくそんな気がするなあ。ちょっと注目しておこう。

パズループ (Playstation)

パズループ (Playstation)

パズループ (Gameboy Color)

パズループ (Gameboy Color)

直感ヒトフデ

直感ヒトフデ