NGM+その他の欲望

日々のサムシングについてのスクラップブック。

津波について

 インドネシア・スマトラ島沖地震津波で2万人以上が死亡、と今朝の新聞各紙で読んだ。地震ではなくて津波でそれだけの人が亡くなっているのだから、まったく恐ろしい規模だ。被害はアフリカにまで及んでいる。
 津波で思い出すのは、1993年7月12日の北海道南西沖地震のことだ。当時僕は高一、函館に住んでいた。夕食後に風呂に入りながら『マルコムX自伝』を読んでいたところ、ものすごい揺れとともに停電し、居間から母親の叫び声が聞こえた。しばらく暗闇のままで怖かったが、とりあえず家には被害はなかった。読んでいた本を湯船に落っことしてしまったくらいだ(今でも『マルコムX自伝』は実家の本棚にある。湯船に落としたせいでページはふにゃふにゃになっている)。
 北海道南西沖地震では、地震が起きた直後に奥尻島津波が襲い、多数の人が犠牲になった。当時僕が通っていた函館の高校にも奥尻島出身の生徒が何人かいた。彼ら彼女らは函館市内に下宿して高校に通っていたわけだが、一夜にして生家だけではなく家族全員を失った人もいた。
 後日、自衛隊に入隊して奥尻島勤務になった友人が、部隊の先輩から聞いたという当時の話をしてくれた。津波で怖いのは最初の波が来たときではなく、その波が退いていくときだという。看板や瓦礫、巨大なブロック片などが、退いていく波に呑まれてものすごい勢いで海に引き寄せられるため、最初に波が来たのを切り抜けて安心していると不意を突かれて巻き込まれてしまったり、大怪我をしてしまうのだそうだ。
http://www.bo-sai.co.jp/sub8.html

揺れがおさまって、真っ暗な中でホッとしていると、何だか様子がおかしい。気がつくと、どこから入ってきたのか、腰まで水に浸っていました。そのうちゴオーッと音をたてて水が引いていきました。
「その引き波の凄さといったら、おそろしい力だった」
 玄関の戸を突き破り、窓ガラスを割って、浮いていた家財道具ごと家を半分さらっていきました。奥さんは柱と家具の間に足をはさまれて怪我をしました