NGM+その他の欲望

日々のサムシングについてのスクラップブック。

Videogame Batonに答えてみる

 ARTIFACTの加野瀬さんと、たかやまさん(id:atoz:20050622)からVideogame Batonが来ましたのでお答えします。

 Videogame Batonとは、先週の半ば(?)あたりから日本の一部ネット界で流行っているMusical Baton(発祥は海外のBlogらしい)のゲーム版。音楽に関する質問に答えて5人にバトンを回すMusical Batonに対して、同じような質問をゲームに置き換えたのがVideogame Batonというわけです。
 Musical Batonこちらで答えましたが、あまり自分の中で大きな位置を占めていない趣味だと簡単に答えられるものの、深くコミットしているものだと逆に答えづらくなるもので不思議。いろいろ考えてしまいます。特に4番の質問など。
 まあでも、こういうのは深く考えずに書くのがスジだと思うので、以下、ダラダラと書いていくよ。

1.Total volume of game files on my computer(コンピュータに入ってるゲームファイルの容量)
 10GB程度。こないだPCを買い換えたばかりで、製品版・DEMO版あわせて4、5本くらいしかインストールしてないんだけどもう10GBも食ってた。最近のゲームは容量食うなあ。あ、10GBのうち2GBくらいはフリー/シェアウェア/同人ゲームだった。フリー/シェアウェアはともかく、同人ゲームもけっこうでかくなってるもんですね。

2.Game playing right now(今進行中のテレビゲーム)
 こないだも書いたけど、『バトルフィールド 2』DEMO版。帰宅してから寝るまでの数時間があっという間に消え去る。早く製品版出ないかな。こいつのせいで何本かのゲームが止まってる。
 あと、これは自分で購入したものじゃないけどDSの『東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』。同僚が買ってきたものを職場で複数人でやってる。みんなでやるとさらに楽しいねこれは。本当に細かいところまで工夫されていて、ここ最近に出たゲーム関係のプロダクトの中で最も感心した一本。内容・パッケージング・宣伝、すべてに気配りが行き届いている。開発だけではなく全社的なバックアップでこういう企画をこの形にまとめあげることができる任天堂の凄みを感じた。

3.The last video game I bought(最後に買ったテレビゲーム)
 海外GCALIEN HOMINID』。Flashゲームから家庭用ゲーム機に移植されたのが話題になった一本。海外公式サイトはこちら。去年、2D, or not 2DExtendeadで紹介されて興味を持ったものの買いそびれていた。こないだ秋葉原行ったら再入荷していたようなので購入。
 内容は『メタルスラッグ』のような横スクロールアクションシューティングなんだけど、カートゥーン調でよく動くグラフィックは一見の価値あり。“操作できて動く絵”としての「ビデオ」ゲームが好きな人にはお勧め。でもはっきり言って理不尽に難しいので、ごく一般的な「ゲーム」好きの人は買わないほうがいいと思います。
 ところで海外のFlashゲームとかフリー/シェアウェアゲームにはこの手のメタスラ風ゲームが多い気がする。このタイプのゲームが好きな人が一定数いるってことだろうか。Mac OS X専用だけど、このタイプのゲームを簡単に作れるコンストラクションツールもあるようだ。

・Sawblade Software: Power Game Factory


4.Five video games I play to a lot, or that mean a lot to me(よくプレイする、または特別な思い入れのある5つのテレビゲーム)
 さあ難しい質問だ! こういうのはそのときのフィーリングで変化するし、たいていの場合5本では少なすぎるか多すぎるかなので難しい。まあいいや、思い入れというか思い出と深く関わってくるのを5本あげていこう。

デビルワールド……初めて買ってもらったファミコンソフト。『ベースボール』、『ゴルフ』と3本セットで、小学一年生の誕生日に買ってもらった。実は当時の私が両親と祖父母に強くおねだりしていたのはファミコンではなく、バンダイから出ていた5,000円くらいのゴジラの人形だったので、子ども心にかなり不満だったのを覚えている。なぜあのとき両親がゴジラではなくファミコンをプレゼントしようと思ったのか、謎だ。ファミコンを欲しいと言ったことは一度もなかったはずだし、そもそも「テレビゲーム」なるものをぜんぜん知らなかったのだ(だから最初に買った3本のソフトのチョイスも両親主導だったはず)。案の定、買ってもらってからは同世代の子どもたちの多くと同様にファミっ子の道を辿ることになる。あのとき、両親がファミコンではなくぴゅう太とかスーパーカセットビジョンを何も知らない私に買い与えていたら、また違った人生を歩んでいた気がする。実際、それらのゲーム機のパンフレットも我が家にあったので、最後まで購入候補にあがっていたのは確かなのだ。

『テラクレスタ』……ファミコン版。小学三年生か四年生の頃。誰かに貸してもらったんだけど、とにかくBGMが好きで好きでしょうがなかった。当時愛読していた雑誌「ファミコン必勝本」に田尻智が連載していたコラム「パックランドでつかまえて」で、深夜の人気のないゲーセンにテープレコーダーを持ち込んで好きなゲームのBGMを録音するエピソードがあって、これは自分もやらねばとさっそく録音した。ラジカセをテレビのスピーカーのそばに置き、録音ボタンを押す。雰囲気を出すために、最初の数秒間はわざとテレビの砂嵐のザーッという音を流しておいてから、ファミコンの電源を入れる。タイトル画面のBGMを最後まで流してからSTARTボタンを押してゲーム開始。だが、ゲーム自体はヘタだったので、BGMがフルコーラス入るようにプレイするのに何度も失敗してやり直した。
 『テラクレスタ』の他にも何本か録音したけど、そっちの方はわりと雑に、ただプレイしているところをダラダラと録っているだけだ。確か、弟や友達の声も入っちゃってるんじゃなかったか。結局『テラクレスタ』の部分だけ何度も聴きかえしていた。そんなわけで、初めて買ったオーディオテープはサイトロンの『ゲーム サウンド ニチブツ』。こちらのほうは現在でも手元にあるが、残念ながら私のオリジナル録音テープはどこかにいってしまった。実家を探せばまだあるかもしれない。

ベアナックルII』……中学から高校にかけてごく一般的なスーファミユーザーだった私にとって、メガドライブはとても大人びたハードに見えた。メジャーハードのユーザーらしいある種の傲慢な無知・無関心のせいか、ハードの性能や市場での勢力地図にはまったく無頓着で、むしろメガドラのほうが性能が高いんだろうなあ、スーファミのゲームよりも絵や音がギラギラしてるし、とか思っていたくらいだ。熱烈なメガドラユーザーだった友人Aの影響もある。彼は私の家に遊びにくるたびにスーファミのゲームを片っ端から酷評し、返す刀でメガドラのゲームを礼賛した。実際、当時の私はあまり有名なソフトを買わずに中古屋で安値をつけているソフトばっかり買っていたので微妙なゲームの保有率も高く、友人Aの酷評も概ね納得できるものではあった(ちなみに、私の持っていたスーファミソフトの中でAが例外的に高く評価していたのは『魂斗羅スピリッツ』と『スマッシュTV』だった)。
 Aの家は裕福で、遊びに行くといつもメガドラの新作ソフトがあった。彼の家で、現在でも高い評価やカルトな評価を得ているメガドラのソフトはほとんど遊ばせてもらった。どれもこれも、スーファミのゲームとは……少なくとも私が買っていたスーファミのゲームとは……違った、とんがった魅力に満ちていた。
 中学を卒業し、Aと私は違う高校に進学した。普通ならここでなんとなく疎遠になってしまうものだが、たまたまAの家が私の高校のすぐそばにあったものだから、下校時に遊びに行くことが逆に多くなった。高校に進学してからのAは目に見えて鬱屈していった。私も絶賛鬱屈中だったので、ふたりで煙草をくゆらせながら夕日が差し込む部屋で『ベアナックルII』を遊んでいた。FM音源のギラギラした音で奏でられるハウスミュージックが、殺伐とした爽快さを感じさせてくれた。彼はこのシリーズの1も3も当然持っていたはずだが、主にふたりで遊ぶのは2だった。
 その後、高校三年生くらいの頃からAとはなんだか微妙な付き合いになってしまい、下校時に家を訪ねることも少なくなっていった。そして卒業間近の時期に別の友人のある悪戯が原因となって、Aとは絶交状態になってしまった。絶交状態になったのは私だけではなく他の友人たちも同様で、しかも高校卒業という進路の分かれ目の時期だったので、それ以来Aとは直接的にも間接的にも交流がない、まったくの没交渉となった。何年か前、帰省したときに例の絶交の原因を作った友人が、偶然飲み屋でAに会ったと教えてくれた。完全に無視されたとのことだった。
 私が自分でメガドライブを手に入れたのはつい最近のこと。『ベアナックルII』を480円で買ってきてひとりで遊んだ。今聴いても古代祐三の手によるBGMには気分を高揚させられる。だが、昔と違って途中のステージでゲームオーバーになってしまった。

ときめきメモリアル……PS版。これをプレイしていて、あることをきっかけに衝撃を受けたのが、今の自分のゲームに対する態度を決定づけることになった。そのことについて書いてたらなんかこのバトンの趣旨とはあまりにも違う文章になってしまったので今回は削除。

『TEMPEST』……正確には、OS XじゃないほうのMacOSに勝手移植されていた『TSUNAMI』。就職してすぐの頃、学生時代にずーっと住んでた部屋から引っ越した。とにかく仕事に慣れるまでがたいへんで帰りが遅くなり、暇がなくてネット接続環境の整備なんか後回しだったので、帰宅してからは寝るまでずーっとこれで遊んでた。シャワーを浴びてビールを飲んで、少し酔っ払ったところで部屋の電気を消し、なんか適当にテクノ系の曲を後ろで流しながらワイヤーフレームの抽象的な戦闘空間へ。まあ仕事はたいへんだったけど、そのときは最高にいい気分でしたねえ。俺もいつかビッグマネーを!とか何の根拠もなくアグレッシブにポジティブシンキングしながらチューブ時空の奥のほうへビームしてワープしてました。あの頃はまだ『TEMPEST』やってるだけで夢が見れたんだ(いやそれはどうかと思うが)。だもんだから私の中で『TEMPEST』というとビッグマネーをあいつらに叩きつけてやる系の、非常に吉田栄作的なアグレッシブさに満ち溢れたゲームという認識です。

5.Five people to whom I'm passing the baton(バトンを渡す5名)
 これも難しい! ていうか土曜日くらいに加野瀬さんからバトンがきたのに、ぼんやりしてたら完全に出遅れてしまった! さらにそのあとたかやまさんからも回ってきてしまったよ。音楽と違ってビデオゲームで遊ぶ人の絶対数は少ないので、ゲームを専門に扱っているサイトにはあらかた回ってしまったようだ。まだ回ってないところで、しかも私が知っている方となると5人はきつい。ここはMusical Batonのときと同じように「くくくっ……この森では俺が法律だぜ?」くらいの勢いで止めてやろうかと思ったのだが、あのときは深夜というか朝方に更新して1時間後くらいに速攻でゲーモクさんに怒られたのでびびったのだった。
 うーん、dotimpactさんに回そうかと思ったけど、たぶんすでに他の人からも回ってるだろうし、なにより個展(→real-time-machine | dotimpact solo exhibition)の準備で忙しいだろうからなあ。とりあえず、今回も止めます。

 ……反応遅いうえにえらく長くなった。