先日、某所でマギー司郎を目撃した。
例の赤いジャケットと蝶ネクタイ姿ではなくごく普通の「休日の熟年男性」スタイルだったので、あーなんか向こうからマギー司郎に似た人がやって来るなあと見ていた。と、その後ろから今度はコント山口君と竹田君の竹田君にそっくりな人が走ってきて、お疲れさまでしたとマギー司郎似の人に挨拶し、続けていかにもテレビマンという雰囲気の人もやってきて挨拶し始めたので、ああこの人は本当にマギー司郎なのだとわかった。そしてコント山口君と竹田君の竹田君だったのだ(ちなみに、山口君は今、竹田君が所属するプロダクションの代表だそうだ)。
また男性の有名人を目撃してしまった。女性の有名人を目撃したことはない。いったいいつになったら女性有名人を目撃できるのだろう。
まあそれはいい。
マギー司郎といえば、僕と同年代(現在20台後半)の北海道出身者にとってはマジック芸よりも、
「札幌で、うまくてやすくて、ボリューム満点の店って、どこなんでしょうね?」
とカメラ目線で問いかける焼肉屋のCMのほうが印象に残っているだろう。マギー司郎がこう問いかけると、左からおもむろに屋台のラーメン屋みたいな格好をしたおっさんが出てきてマギーの肩に手を回し、同じくカメラ目線で、そして独特のアクセントで、力強くこう断言する。
「ウチですウチ、南光園」
それを聞いたマギーは、口を半開きにしたなんとも中途半端な表情でおっさんのほうをチラと見て、そしてまたカメラ目線に戻り、中途半端な表情のまま、何度か頷く。
このCM、数年単位のかなり長い期間にわたって放送されてたので、子どもの頃の定番物まねのひとつだった。
あと長期間やってたローカルCMで印象深いのは、マルタケのしめ鯖CM。北海道出身者以外にはまったく面白くないのを承知の上で、記憶を頼りに文字起こしする。
Si Me Sa VAaaaaa!
マルタケ シメサバ マルターケーのー シメサバ!
このファンク調の歌が、朝日が昇る直前のビル街(のように見える場所)で、ブルースブラザーズのダン・エイクロイドみたいな男と、若い頃の桐島かれんみたいな女が小粋に踊っているところにかぶさる。
ふたりは、しめ鯖のパックを持ちながら踊っている。
最後の「シメサバ!」のところで女がしめ鯖パックを顔の前にビシッと持ってきてポーズを取る。
それが妙にかっこいいので、未だにスーパーでしめ鯖を買うときに、この歌が頭の中でリフレインしている。