最近唸ったマンガの話。話題になっているというので、先々週号(かな? シマコーが表紙のやつ)のモーニングに掲載されたBoichの読み切り42ページ「HOTEL」を読んだ。おおー、SFだ。人類滅亡後の世界を、生物のDNAを保管した塔「HOTEL」の支配人であるAIの目を通して描いた作品。タイムスパンは2000万年。ある有名な曲が通奏低音として作中に流れてて、ベタなんだけど俺こういうの弱いので涙腺が緩む。
あと、今号のアフタヌーンの付録、春の四季賞受賞作品集に入っていた前邑恭之介「CURE」はたいへん良かった。交通事故で太腿の肉をごっそり抉られてしまった男子高校生が入院して恢複するまで、というほんとに小さな物語なんだけど、語り口の迫力が尋常じゃない。痛みの描写がすごいっていうのじゃなく、ごく些細な日常のひとコマも含め、全編に緊張感がみなぎっている。ただの怪我(いや、たいへんな怪我なんだけど)を治療することについて、正面きって描きながらこんなに面白くできるというのは驚きだった。
ところで本を読むスピードは比較的遅いほうだと思うんだが、中でもマンガを読む速度は、はっきり言ってものすごく遅い。あんまり台詞がないマンガでもいちいちちゃんと1コマごとに一枚の「絵」として認識できないと次に進めないらしく、少年マンガの単行本でも一冊読み終えるのに30分かかるね。遅すぎ。
で、今連載中のマンガでは単行本の続きが出るのを二番目くらいに楽しみにしている石川雅之『もやしもん』3巻を読んだんだが*1、なんと気が付いたら読了するのに2時間半かけてた! えー! 遅すぎる! いやたいへん面白いのでなるべくゆっくり読もうとはしてたんだけど2時間半って。
ところで『もやしもん』の単行本は毎回凝った仕掛けがあるが、今回は通常版と特装版の2バージョン。だが内容はほぼ同一で、カバーと帯が違うだけだったりする。値段も同じ。いやー今回もやっとるなー。なお、特装版の裏表紙は帯で隠れてるけど女性キャラの水着絵です(本誌の表紙になったやつ)。
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*1:ちなみに一番目はよしながふみ『フラワー・オブ・ライフ』。こっちはもったいないので二日に分けて読むことにしている。