NGM+その他の欲望

日々のサムシングについてのスクラップブック。

超ラブリー肉玉:『LocoRoco』をベタ褒めする

 先日、体験版をプレイして

あー、楽しいんだが、人には勧めづらいかも。いやね、これけっこうイラッとくるゲームなんですよ。たいへんかわいらしい見た目に惹かれて遊んでみると、わりとゴツゴツした手触りのゲームだったりして。磨いて角を取って遊びやすく……という意思は、体験版を遊んだ限りではわりと希薄かも。
http://d.hatena.ne.jp/msrkb/20060711/LocoRocoDemo

 と、微妙にネガティブなことを書いたPSPLocoRoco』だが、発言を撤回せねばなるまい。体験版で遊べるステージ*1は、いろいろな見せ場を作ろうとした結果、冗長になってしまったようだ。体験版だけをプレイして買わないと判断した人は、一度どこかで製品版をプレイしてみたほうがいいんじゃないかな。たぶん印象はぐっと良くなる。
 というわけで、製品版をプレイしてみたらイラッとくることもないし、ゴツゴツどころかとても洗練されたバランス調整だった。見た目のラブリーさを裏切らない、万人に勧められる手触りのゲームだ。
 製品版の各ステージは、ただクリアするのはとても簡単で短め、しかし隠されたフィーチャーを探したり記録に挑戦しようとするとだんだん難しくなり脇道もいろいろある、という構成になっている。2Dの横スクロールアクションゲームだけど、ここらへんのステージ構成のテイストは3Dのプラットフォーマー(箱庭型)ゲームに近いテイストだ。
 それにしても、プレイヤーキャラであるロコロコたちの愛らしさは驚異的。殺人的にかわいらしいと言っても過言ではない。三十路間近のむくつけき男がこんなこと言うのは我ながら気持ち悪いが、だが言わせていただきたい。疲れて帰宅する電車の中でこのゲームをやっていると、顔がにやけてくるんだ! なんか多幸感に包まれたりするんだ! ステージ中の仕掛けだけではなく、メニュー画面からローディング画面まで、すべてにわたってロコロコの愛らしさに奉仕するためにデザインされている。ロコロコたちの合唱やおしゃべり、つぶやきや掛け声がMixされたBGM、SEも素晴らしい。とは言え、このゲームの中の世界は、ただ甘ったるいだけのかわいさに包まれているわけではなく、時として残酷で、どこかグロテスクな一面も見せる。そこらへんの、嫌味にならない程度の味付けもいい。
 今まさにプレイしてる最中なので、ちょっと冷静さを失ったベタ褒めの言葉しか出てこない。それくらい好きだということなんだが、ロコロコの愛らしさによる補正がかかっていることは否めないので、この感想はだいたい三割ぐらい間引いて読んでいただきたい。個人的には、このゲームが世に出たというだけでPSPの存在意義はあったと断言できる。惜しむらくは、SCEが傍目にも重すぎる期待をこのゲームに背負わせて大々的なプロモーションを行っていることで、かつての『ラチェット&クランク』のように、ゲーム自体の出来不出来とは別のレイヤーで――つまり、プロモーション費用と売り上げの費用対効果とか、そういう視点で――ネガティブに語られることが多くなると予想される。ああ、不憫でならない(ロコロコたちが)。
 とりあえずそれはおいといて、SCE様におかれましてはぜひともロコロコのビーズクッションを商品化していただきたく。絶対売れる。主に俺に。

LocoRoco PSP the Best

LocoRoco PSP the Best

PSP「LocoRoco」テーマソング 「ロコロコのうた」

PSP「LocoRoco」テーマソング 「ロコロコのうた」

*1:たぶん体験版オリジナルステージ