NGM+その他の欲望

日々のサムシングについてのスクラップブック。

カードゲーム『ごきぶりポーカー』


 こないだも書いたように昨年後半は例年になく忙しく精神衛生的によくない状態だったわけで、家でLive Arcade版の『Smash T.V.』をてーてててーてててーてててってってってーとスタート直後のジングルを口ずさみビッグマネー、ビッグプライジーズ、アーイラビット!とプレイしながら心を鎮めていたわけだが、やっぱそれだけだと荒んでいく一方なのでここはひとつ会社の昼休みなんかに同僚みんなと軽く遊べるようなカードゲームでも買ってみよう、なにせ同僚もみんな荒んでるからな……というわけでいろいろ検討した結果、ボードゲーム系のサイトでよく「初心者に最適」「駆け引きが面白い」というような感じでレコメンドされてる『ごきぶりポーカー』というカードゲームを買ってみた。ドイツ製。輸入ものだけど、ネット通販をやってるようなボードゲーム専門店ならまず置いてある(だいたい1200円で買える。僕はヤフオクに出店してるボードゲーム屋さんで買った。)。

 「ごきぶり」っていうとパブリックエネミーNo.1な恐ろしいクリーチャーだが、カードに描かれているイラストはデフォルメしてあって、まあかわいいとまでは言いたくないが適度におしゃれなので大丈夫だ。ゴキブリの他にもハエ、ネズミ、クモやカメムシなどが描かれたカードが用意されている。この害虫カードをプレイヤーがお互いに押し付けあって、同じ種類のカードが4枚揃ってしまった人の負け。最初に配られる手札の中から押し付けたいカードを相手に伏せて出し、「これは●●です」と宣言するのだが、正直に言ってもいいし嘘をついてもいい。ほんとはネズミのカードなんだけど「これはゴキブリです」とか言うわけね、ポーカーフェイスで。それでカードを出された側の人はその宣言が嘘か本当かを当てる。さっきの例でいけば「本当です」と答えてしまうと負けでゴキブリのカードを押し付けられる。逆に嘘を見破れば、カードを出した側に押し付けることができる。
 押し付けられたカードは自分の前に開いて置く。さっきも書いたように同じ種類のカードが4枚揃うと負けなのだが、ゲームが進むごとに場にオープンされたカードがたまっていくので、(場に出ているゴキブリのカードはX枚、ということはみんなの手札の中に残っているのはあとY枚。そして今、こいつはこのカードが「ゴキブリ」だと言った。俺はすでにゴキブリのカードを3枚押し付けられている……ということはこのカードは……だがしかし……)といった読み合いが深まっていく。3枚たまった状態での勝負はかなり神経をすり減らす。
 さらにもう一つ特徴的なルールとして、何回でもパスできるというものがある。パスした人は出されたカードを自分も見て、今度は別の人に「これは●●です」と宣言して出す。別の人に出したカードを当てられて結局カードを押し付けられるというリスクもあるので、危険な判断を迫られたときはとりあえずパスしとけばいいというわけでもない。そしてこのパスを利用し、ターゲットにしているプレイヤーには直接カードを出さず、別の人に出してパスを何度か繰り返した上で最終的にそのプレイヤーのところに出す、という戦法もある。「これは●●です」というのが何度も重なると混乱してしまい、出されたほうとしてはたいへんきつい状況となる。もちろんパスを経由して最終的に……というのはその場の空気を読んで行うもので、あらかじめ結託してはいけない。
 まあこんな感じで進めていく。誰でもすぐにルールを理解できて短時間で勝負が付くカジュアルなゲームだけど、終盤の駆け引き・読み合いはけっこうエグいものがある。ルールの性質上、集中攻撃で撃沈させる展開になりがちだしね。
 いや、たいへん楽しいのだが、荒んだ職場の雰囲気が和らいだかっていうとまたちょっと別の問題かもしれない。昼休みにまで神経戦やるこたあなかったかも。でも面白いので、皆さんも機会があったらやってみてください。できれば4名以上でやるべし。
Kakerlakenpoker

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