NGM+その他の欲望

日々のサムシングについてのスクラップブック。

『けいおん!』を8話まで見ました

 三連休最後の夜、『とらドラ!』と同じく薦められた『けいおん!』をDVD4巻まで妻とともに視聴し、ううむ、うむ、と自らの内奥をのぞき込み情動の切れ端を探していたのですが特にこれといったものは見つからず、この4人の中なら律かなー、というすこぶる緩い感想がぼへあーと浮かんでは消え缶ビールを口にしているうちに、私はいつの間にかうとうととしていたようです。そこでいくつかの印象的な夢を見ました。そして一時的に目覚めるたびにその印象的な夢について、横で『龍馬伝』か『ハゲタカ』を見ていた妻にぽつぽつと説明し、そしてまた眠りに落ちるということを繰り返していたのですが、後にちゃんと目が醒めてから訊いてみると、そんな説明は聞いていない、ずっと寝ていたというのです。どんな夢だったかを妻に説明するところまでをセットにした夢だったということでしょうか。印象的な夢のいくつかには巨大な鯨とオルカ(シャチではなく、夢の中の私はオルカと呼んでいました。たぶん同題の映画を想起していたのです)が巨大プールの中で超音波バトルをするというものがあり、私はスキューバダイビングをしながらそのバトルの行く末を見ていたのですが、これは楽しい夢でした。ですが、その後に見た夢がとても哀しいものだったのです。その夢とは、あるゲームの商品コンセプトに関する夢で、どうやら『ギターヒーロー』や『Rock Band』のシリーズ作らしくプレイヤーたちはギターコントローラーをノリノリで爪弾いているのですが、何曲かクリアするたびに展開されるストーリーデモが『ソフィーの選択』なのです。デモの冒頭に、昔の「新潮・現代世界の文学」版の表紙がバーンと表示され、本が開かれると映画版からの映像のダイジェストが流れる、といった具合です。そしてゲームに戻り、何曲かクリアすると物語が進むのです。ゲームパートで何を演奏していたのかは不明なのですが、夢の中では「あの名作がギタープレイで甦る!」「簡単操作でソフィーの選択を体感せよ!」みたいな心ないにもほどがありすぎるフレーズのキャッチコピーが踊っていました。私はその夢を見ながら……これは何かプロモーションビデオのような夢で、私は主体的にそれへ関わることができなかったのですが……この圧倒的な心なさ、これこそが現代消費社会の虚無なのだ……と恐怖にも似た哀しみを覚えたあたりで目が醒めました。そして忘れないうちにこの夢日記をしたためているのですが、書いているうちに気づいたこととしては、この夢、眠る前に見ていた『けいおん!』からきているのではないかということです。『けいおん!』とこの夢に共通するところ、それは「ギター」……。なんということでしょうか。もしかしたらこの夢は、『けいおん!』に対して私が無意識に抱いた虚無感の反映なのかもしれないのです。ふわふわ時間、わたしの恋はホッチキスなのです。そうそう、最後に付け加えるならば、『とらドラ!』のほうはまだ10話までしか見ていないのですがとりあえずほっちゃんのアルバムを借りて「バニラソルト」を通勤時にヘビーローテしております。