NGM+その他の欲望

日々のサムシングについてのスクラップブック。

ブラジルのメガドラ互換機、あとZeeboのこと

 ブラジルではまだマスターシステムメガドライブが現役機種で、今でもセガの正式なライセンスを受けた互換機が「メガドライブ3」等の名前でリリースされているのは知っていた。が、そのプラットフォームで新作ゲームが作られている、という話は初めて知った。メガドラ版『Need for speed Pro Street』だというこの動画を見てググった結果知ったのだが。





 おーよく動いてるわーすごいすごい、『Need for speed Pro Street』ってことは、またぞろどっかのHomebrewerが頑張って移植したのかしらん、などと思っていたのだが、そうじゃなくてこれはtectoy社のメガドラ互換機向けにEAが正式にリリースした「新作メガドラソフト」なんだそうだ。このニュースをまったく見逃していたが、2008年に『FIFA 08』、『Need for speed Pro Street』、『The Sims 2』、『シムシティ』を移植したとのこと(→http://www.insertcredit.com/archives/002514.html)。もちろんこれはブラジルのみの販売ということだろう。
 tectoy社のサイトを見てみると、最新のメガドラ互換機は「Mega Drive Guitar Idol」という名前で売られているようだ。



 もうメガドライブらしさのかけらもない筐体デザインだが、時流にあわせてギターコントローラもついてる。『ギターヒーロー』のメガドラ版『Guitar Idol』が遊べるんだそうだ。前述のEA新作メガドラソフトとこの『Guitar Idol』、そして過去のメガドラソフトが80本くらい内蔵されている。





 現役感バリバリのCM。一時期プラグ&プレイタイプのゲーム内蔵玩具が流行ったが、ブラジルではもっとメジャー感のある商品なんだろうなきっと。





 『Guitar Idol』プレイ動画。ゲームの仕様上、当然と言えば当然なんだろうけど、これ一曲まるごとサンプリングしてるんだよね……? 何曲入りなんだろう。ソフトはROMカセットでリリースせず内蔵のみってことで、メモリ的にある程度の無茶が可能になったってことなんだろうか。
 tectoy社といえば去年のGDCでちょっと話題になった「Zeebo」のブラジルでの販売を担当している。ソフトの販売を3G回線でのダウンロードに特化し、BRICs新興市場をターゲットにしたハードだ(→【GDC 2009】新たなるゲーム機、新興市場向け「Zeebo」がベールを脱ぐ)。「Zeebo」を開発している米Zeebo社のサイトによれば、今のところブラジルとメキシコでロンチしているようだ。メキシコ版のサイトはこちら。『鉄拳』とか『Quake』とか『バイオ4』が移植されている。オリジナルのゲームも何本か出ているみたいだ。
 ブラジルのメガドラ互換機やZeeboは、日本で触れる機会はなかなかないだろう。特にダウンロード販売に特化しているZeeboは難しいだろうなあ。一時期に比べれば「海外ゲーム」のニュースも、ソフト自体もかなり入手しやすくなったとは思うが、そこで言うところの「海外」ってのはけっこう限られた範囲だ。世界にはまだまだ知らないゲームがたくさんある。そのほとんどは、実のところ北米・欧州でのヒット作のタイニー移植版だったりするのかもしれないが、その国独自の色を持ったソフトも出ているのかもしれない。まだ見ぬ突然変異的な発想や提案がそこにはあるのかもしれない。まあひとつのロマンです。