NGM+その他の欲望

日々のサムシングについてのスクラップブック。

ゲームサイド休刊

 先日、「ゲームサイド」が次号で休刊するという発表があった。

弊社 季刊誌「ゲームサイド」は、2010年7月3日発売の8月号(Vol.24)をもって
しばらく休刊させていただくことになりました。

1996年7月に誕生いたしました弊誌の前身「ユーズド・ゲームズ」以降、ゲームを娯楽文化としてとらえ、「ユーゲー」、「ゲームサイド」と、誌名と誌面を刷新しながら、既存のゲーム誌には無い独自の視点からゲーム全般を応援して参りました。

しかしながら、現在では、ゲーム情報発信の主流は、Webへと移行しており、時代の流れに合わせ、今後は弊社のゲームニュースサイト「Game Bridge(http://g-bri.com)」を通じて、皆様にゲーム情報を発信してまいりたく存じます。

(後略)

http://www.gameside.jp/

 時代の流れか、不況の影響か……とにかく残念でならない。バックナンバーを一部手放してしまったが、「ユーズド・ゲームズ」の2号か3号あたりからずっと毎号買っているから、もう十何年の付き合いだった。「コンティニュー」が“ゲームのこともちょっとだけ取り上げる雑誌”になってからは、唯一の「毎号買うゲーム雑誌」だったのだが……。
 「Game Bridge」は現在のところ新作のニュースリリース中心で、こう言ってしまってはなんだがゲームサイド編集部がやらなくても他に良質のニュースサイトがたくさんある。あと、「ゲームサイド」の新作プッシュは何かと問題というか、いざゲームが出てみたらガッカリってのが多かったのも事実だし……。
 いわゆる「ゲームサイド」らしいネタは今後書籍の形で出すということで、それはそれで楽しみにするけど、でも個人的には「新作以外のゲーム」についてある程度のボリュームのある記事が掲載される紙媒体が「定期的に」出ているということがすごく重要だったのだと思っている。書籍でぽつぽつと出る、というのとはちょっとインパクトが違うんだなあ。
 WiiバーチャルコンソールPSP/PS3ゲームアーカイブス、あるいはPCのプロジェクトEGGなど、旧作を手軽に楽しめる環境は現世代ハードのネットサービスで着実に整いつつある。だが、未だに「昔を懐かしむ」以上の需要はなかなか喚起できていないと思う。そんな中で、「ゲームサイド」のように旧作を主に取り上げる雑誌が、新たな若いユーザーへのサブテキスト、ブックガイドとして機能すればいいんだがと密かに期待していた(ただ、やっぱり「ゲームサイド」も「昔を懐かしむ」層の読者以上の広がりをなかなか実現できていないだろうことは読んでいて感じた)。そういう意味でも残念だ。
 長い読者時代を振り返ってみて、熱狂的なファンでこそなかったが、ちゃんと発売日を意識して書店に向かい、帰り道でさっそく読み始める、というくらいの熱量が今でも持続している雑誌だったことは確かだ。毎号の力の入った特集や他誌ではなかなかお目にかかれない縁の下の力持ち的スタッフへのインタビュー、そして原田勝彦(a.k.a. RD、ゲーモク)という不世出のゲームライターが主に活躍した場として、「ゲームサイド」のことは忘れないだろう。と、すべて過去形で語ってしまったが、まだ一号残っている。最後は華々しくぶち上げていただきたい。