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NGM+その他の欲望

Nightcap Gamer's Memopad, そしてその他諸々についてのサムシング。

『Bugってハニー』と「あの頃」のハドソン製ファミコンゲーム

アニメ ゲーム memo 音楽

30周年記念ということでTOKYO MXで地上波再放送が始まった『Bugってハニー』の第一話を見た。放映当時このアニメを熱心に見てたわけではなく、ゲーム版のほうもとっちらかった内容だなと子供ながらに思ってちゃんとプレイしたことはないので、正直言って思い入れはほとんどない。細かいところもほとんど憶えていないし。

が、改めて見るとなんかすごいドラッギーな世界描写だったのが面白かった。『高橋名人の冒険島』のキャラクターを下敷きにした「高橋原人」が主人公で彼はゲームの中の世界に住んでいるわけだが、その世界の描写が不思議。南の島で、顔のある巨大キノコたちや巨木が話しかけてきたり、というのはおとぎ話的描写でまあわかるんだけど、ジャングルの木の幹に交通標識やバーコード、JISマークやSTマーク、麻雀の点棒などなど雑多なものが刺さっていたり貼られていたりしていてカオティック。

たぶんこれ、当時の(あまり若くない)アニメのスタッフたちが、当時のゲームのグラフィックにおける記号的な混沌をなんとか自分たちなりに解釈しようとしてこういうことになっているんじゃないだろうかと思う。劇中の要所要所では『ロードランナー』や『ボンバーマン』などハドソンファミコンソフトのゲーム中画面をそのまま模したシーンが挟まれるのだが、手描きのちょっとひょろひょろした線で表現されるドット絵が、「時代」って感じだね。

 


ちょい見せ 「Bugってハニー」

 

あと、小林亜星作曲のOP/EDテーマ曲で高橋名人がやけに美声かつ達者な歌を披露するのが印象的。特にOPテーマは映像も相まってなんだかおしゃれ歌謡曲というかソフトロックというか、なんだかそんな感じで良い。

近々で高橋名人の歌声を聴いたのはYMCKの「ロッケンロール・ランデブー featuring 高橋名人*1だけど、あれはゲストボーカルで歌うというよりはMCみたいな感じだったから特に歌声の印象はないんだよな。YouTubeで探してみると、2012年のライブでまさにこの曲の生歌を披露している映像があった。これを見る限り今も変わらずいい歌声だ。

 


高橋名人 Bugってハニー ~ ボンバーキング JADE-Ⅳより

 

ファミリーレーシング

ファミリーレーシング

 

 

と、持ち上げといてなんだけど、ファミコン版『Bugってハニー』前後くらいからのしばらくの時期、感覚的には『迷宮組曲』から『亀の恩返し』くらいまでの時期のハドソンファミコンソフトって、当時はどうにも好きになれなかった。

Bugってハニー』は横スクロールアクション+ブロック崩しというジャンルミックスものだけど、あの時期のハドソンのゲームってゲームジャンルに限らずいろんな要素を雑多に詰め込んでいて、それでいて詰め込んだ要素同士のシナジーがうまくいってない……みたいな印象があったんだよね。もちろんこの印象は今の俺の言葉で表現しているものだから子供のときはもっと漠然と、最初に書いたとおり「とっちらかった内容だなあ」くらいの感覚だったのだけど、妙な居心地の悪さみたいのを感じていたのだった。

ぶっちゃけ、子供の頃の俺はアクションやシューティングゲームでの「隠しキャラ」とか「謎」みたいなものがあまり好きではなかったのだと思う。なんでだろうなあ。どうも小学生なりに、「小学生に媚びてやがる!」と憤ってた節はあるような気がする。

逆に、同じくらいの時期にハドソンPCエンジンで出していたゲームにはそういう感覚はまったくなく、自分ではPCエンジンを持っていたこともあって憧れの対象だった。ハドソンPCエンジンの初期に出していったソフトは、移植作も含めてアーケードスタイルのシンプルなゲーム内容をリッチなビジュアルで表現したものとか、硬派なアドベンチャーゲームRPGとか、実験的なCD-ROMタイトルとか、とにかくファミコンとは一線を画する「中学生が遊ぶゲーム」って印象があったのだ。今となっては、その印象は少々買いかぶりすぎだったと知っているけど、当時の小学生の自分には、ファミコンのゲームの同一地平線上、あるいは延長線上にPCエンジンのゲームがあるとはあまり思えず、「ゲームセンターのゲーム」と同程度に、ファミコンのゲームとはかけ離れた存在に思えたのだった(「パソコンのゲーム」に関しては当時はほとんど知識がなかった)。

今は別に、あの頃のハドソンファミコンソフトにそういう苦手感覚はなくなって、あの時代の小学生が「ファミコン」に抱いていたリビドーを貪欲に取り込んだものとして捉えている。ああ、そのうちレトロフリークにその頃のハドソンファミコンソフトを取り込んで、連続して遊んでみるのもいいかもしれない。

*1:『ファミリーレーシング』収録

セカイ・海芝浦

photo 日乗 net

www.huffingtonpost.jp

2000年代前半に大流行した会員制SNSの「mixi」が、10年前の日記を知人に通知するキャンペーンを始めた。12月5日以降「忘れたい黒歴史が晒されてしまうのでは?」と危惧する声が相次いでいる。


■それは大変。でも実態は……


話題になっているmixiの特設サイト「ASIAN KUNG-FU GENERATION × mixi

これは、ロックバンド「ASIAN KUNG-FU GENERATIONアジカン)」とのコラボ企画のキャンペーンを指す。同バンドが2004年に出した2枚目のアルバム「ソルファ」の再レコーディング盤を11月30日に発売したことに合わせて、特設ページ上にmixiユーザー自身と、自身と友人設定をしている「マイミク」の2004年ごろの日記を表示している。

なお、ページに表示される日記はユーザーごとに異なり、設定されている公開範囲を越えて日記が公開されることはないという。実態を知ったmixiユーザーからは「大騒ぎするほどではない」と冷静な声も出ている。

 

TwitterのマイTLではそれほど騒いでいる人はいなかったが、昔のものを振り返るのはわりと好きなのでかなり久々にmixiにログインしてみた。PASSを忘れてたよ。

まあ2003年頃から書いてるこのBlogをまだ続けてるくらいなので、別に昔の日記を改めて公開されても特に恥ずかしいところはない。だが、すでに故人となってしまった人とのやり取りなんかが出てくると、いろいろと胸に去来するものがあるな。

 

で、いくつか見てたら、2005年の元旦に鶴見線の海芝浦駅*1で初日の出を見たという日記があった。当時持ってた機種名も忘れた安いデジカメ(確か33万画素とかだったはず)で撮影した写真が貼られていて、日記のタイトルが「セカイ・海芝浦」だった。その日記に付いてたマイミクとのやり取りを見る限り、当時は正直「セカイ系」っていう言葉の意味をよくわかってなかったと思うのだが、写真を見ると、これは今なら新海マコティックとでも表現すべき光景なのかなと思ったので、メモ代わりに貼っておく。どうやら元画像がローカルのHDDからも失われているっぽいので。

 

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到着してすぐ。なんとなくノリで行ったのだが、同じことを考えた人がそこそこいたようで、ホームには10人前後はいたように思う。曇ってて初日の出は拝めなさそう……と落胆してたのだが……

 

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雲間から徐々に光が差してきてこんな光景に。この後、本格的に太陽が出てきたときは本当に神々しい光景になったので写真撮るどころじゃなかった(と、当時の日記に書いてる)。

関係ないけど、『君の名は。』はまだ見ていない。さすがにそろそろ見に行くか。

 

セカイ系とは何か ポスト・エヴァのオタク史 (SB新書)

セカイ系とは何か ポスト・エヴァのオタク史 (SB新書)

 

*1:東芝京浜事業所の敷地内にあり、改札が工場の門になるため社員しか駅を出ることができない。が、一般客でもホームに下りることは可能。そしてホームが海に面していて向こう岸には工場群が見えるという不思議な風景のため、マスコミでもたびたび取り上げられる。

カメラおじさんになりつつある気がする

photo 日乗

 

ここ数年、妻が会社のビンゴ大会でもらってきたNikon 1 J1の標準ズームレンズキットを使っていた。赤いメタルボディのタイプだ。シンプルなデザインは気に入っていたが、旅行のときか仕事でトレードショー関係の視察に行ったときのレポートくらいにしか使ってなかった。

そもそも、日常的に写真を撮るという習慣がまったくなかったのだ。携帯、スマフォのカメラもあまり使わないのに、わざわざ撮影専用の機材を持ち歩いて写真を撮るというのが身につくはずもないといえばそのとおりだ。

それでもまあ、Eyefi Mobiを買ってスマフォとの写真共有が簡単になったのに感動したり*1、みんなが「フィルター」を買ってるのは写真に色味とかを付加するためじゃなくレンズを保護するためだったのか! と遅ればせながら気づいて購入、いちいちレンズキャップを付けたり外したりしなくてもいいので取り回しがすごく良くなって感動と、カメラにあまり関心がない人なりに小さな感動を積み上げてきてはいた。でも「何かあるときに持ち出す」以上のものにはならなかった。

 

が、今年の春先に、うっかりミスで標準ズームレンズを壊してしまったんですね。それで、また標準レンズを買い直すのも馬鹿馬鹿しいし、トレードショーの暗い照明の中でレポ用写真撮るなら明るく撮れるやつがいいだろうということで、ちょっとだけ勉強して価格相場も調べて、単焦点の18.5mm f/1.8を買ったんですよ。安かったし。

 

 

そしたらまあ、うわーぜんぜん違うわー、と。レンズが違うだけで、こんな明るい、光の部分と影の部分の表現力が標準レンズとは段違いの、質感のある写真が撮れるもんなのかー、と。

 

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この2枚はレンズを買ってすぐのとき行った「コンテンツ東京2016」というトレードショーのVRコンテンツ関係のブースでのもの。えー! こんな薄暗いところでこんなにきっちりしたのが撮れるのー!? なんか報道写真っぽくね? すごくね? と一人で興奮してしまった。

 

というわけで、見事に撒き餌レンズに引っかかったのだった。以後は写真を撮るのが加速度的に楽しくなり、休日は特に目的がなくてもカメラを持ち歩くようになった。それと、赤いボディのJ1と黒くてプラスティッキーにつるんとしていてあまりレンズっぽくない18.5mm f/1.8の組み合わせが予想外にかっこよく見えたのもヤバかった。ヤバい。かっこいい……調べてみるとカメラの外見を自分好みにカスタマイズ、ドレスアップするという趣味もあるらしく、いやあいろいろな世界があるものだ。というわけで俺も軽く影響されてバヨネットフードとストラップを買ってみた。

 

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バヨネットフードって名前からしてかっちょいいもんね。「バヨネット」だもん。銃剣だぜ銃剣。あとストラップの色をどうするかいろいろ迷ったのだが敢えてこのオリーブグリーンとこの……何? 矢印? みたいな組み合わせのやつにすることで、なにかこう、ミリタリーっぽいような、なんか、この赤いメタリックなのとプラスティッキーな黒いのとで、これはなんか、なんかすごくかっこいい……。あ、J1用のグリップ自体は前から装着してました。手が小さいからこれないとカメラ落としてしまう。あと後ろに写っている飲み物は麦茶ではなくアフリカのお茶・ルイボスティーです。おしゃれですね。ティッシュクリネックス派です。

あと、いろいろ調べてたらHOLGAのレンズ部分をデジカメ用交換レンズにしたやつが何年か前に販売されていたのを知り、Nikon 1用のもまだ在庫があるというので買ってしまった。3000円だし。

 

HOLGA ニコン1用HOLGAレンズ【HL-N1】

HOLGA ニコン1用HOLGAレンズ【HL-N1】

 

 

全部プラスチックでできた完全なるおもちゃだし、フィルムのトイカメラで特徴的な周辺光量不足のあの感じは「ブラックコーナーエフェクター」なんて大層な名前が付いてるけど要はピンホールのプレートを一枚噛ませただけの機構で再現したり*2オートフォーカスなんてもちろん使えなくてマニュアルでしか撮れなくなるし、基本ピーカンの屋外でしか撮れないけど、まあこれが楽しい。夏の強い日差しの中に持って行っていろいろシャッタースピードを弄って試行錯誤するのがとても面白かった。「いかにもフィルムのトイカメラらしいローファイな色味」という点では昔買ったトイデジカメ・VISTA QUEST VQ1005のほうがそれっぽくて面白いのが撮れたのだが(当時書いたエントリ→123)、こっちは撮ることそのものがなんだか楽しい。オラ! 撮ったの見てくれよ! 見せられても困るようなもんしか撮ってねえけど。

 

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地面に写った自分の影を撮るおじさん。女子大生のInstagramか! だが影のボリューム感が確かな中年力(ちゅうねん・ちから)を放射している。

 

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空を撮るおじさん。これも女子大生のInstagramっぽいけど、おっさんにも多い気がする。

 

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錆の浮かんだパイプを撮るおじさん。いるよねー。とりあえず撮るよね。

 

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廃屋っぽい民家の割れたままほっとかれた窓ガラスを撮るおじさん。いるよねー。真夏に撮ってるはずなのにKO-KO-ROが荒むほど寒々しい絵だね。

そんでHOLGAレンズを装着したNikon 1 J1の姿はこれ。

 

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かわいい! おしゃれ! なんなのこれ! 「カメラが趣味になると、カメラを撮るカメラが欲しくなる」とどこかのBlogで読んだ気がするけど、今それすごくわかるわ……iPhoneのカメラじゃないので撮りたくなるわ……あ、後ろに写ってるオレンジのはおしゃれな鍋敷きです。なんか鋳物みたいのでできててルクルーゼの鍋みたく重い。たぶん人を殺せる。

 

まあそんな感じのことをしばらくしていたわけだが、明るい単焦点レンズの次は望遠レンズが欲しくなる。どうしようかいろいろ悩んでいたのだが、そもそもNikon 1 用の1 NIKKORレンズはラインナップが少ないので、自ずと選択肢は限られる。

で、まあ悩んでいたところで選択肢が増えるわけでもなし、PlayStation VR用にしていた貯金を「ぜんぜん追加出荷分のアナウンスも出ないし、とりあえず後回しか」と望遠レンズ(10mm-100mm、35mm換算で27mm-270mmのやつ)にぶっ込んでみた。

 

 

さすがに撒き餌レンズとは違う高級感がある。関係ないけどカメラ関係のレビュー読んでると「塊感」って言葉がけっこう多用される印象がある。塊感ってなんだよって思ってたが、今ならわかる。これ、塊感あるよ。わかるよこれ……ただ一つのことだけわかっている。私は盲目であったが、今は見えるということが(ヨハネ 9:25)。ほら、カメラの写真だ! 見ろよ!

 

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カメラのボディに対してレンズの大きさのバランスがZZのあたりのモビルスーツっぽい! いやガンダム詳しくないんで雑な印象ですが。なんかあのー、アニメには出てこないけど関連する小説とかマンガとかゲームとかではちらっと言及されてた試作機とか改造機をプラモ化しました! みたいなやつの若干やりすぎた感に近いバランスを感じる。特にバヨネットフードのあたりが。これ沈胴なのでズームするとさらにニョキニョキ伸びてある種の暴力性を感じるフォルムになってすごいの。首から提げてるとレンズが前に突き出てなんか攻撃的な印象をすれ違う人に与えるような気がしたので、レンズが下を向くように片手でクイッと押さえながら歩くのが、拳銃の銃口を下げて構えたままダッシュするFBIの人みたいでかっこいいなあと思いました(夢見がちすぎる)。

でも、望遠側はあんまり使わず、広角側の画角で風景を撮るのがなんか新鮮で面白いなー、ぜんぜん違う構図で撮れるんだなー、J1は歪み補正機能がないからワイド端だと端っこがけっこう歪むんだけど、この歪んでるのがなんかダイナミックな感じがして面白いなーなんてことを思っていたところで路地裏で野良猫を発見。よし、上級職・ねこちゃん撮りおじさんに転職してみるか……谷根千でカメラ片手に野良猫と戯れる的な存在になるのも夢じゃないぜ……と撮り始めたとき、エウレカが訪れた。なるほど! ここで猫が逃げない距離のままズームすることですごい寄った写真が撮れるのか! なんでみんなあんな近くで猫撮れるんだろうかよっぽど猫に好かれやすい体質なんだろうかと疑問だったのがやっとわかった。ていうかそんなレベルかよという話ですが、まあ自分で気づくのは楽しい。気づきに感謝系のアレがある。

 

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というわけでけっこうな速度でカメラおじさんになりつつある気がする。まあ「おじさん」とかブリッ子的な自称をしてはいけないな。カメラ中年男性だよ。カメラを持った中年男性が街を徘徊しているんだよ。声かけ事案に発展しないことを祈る。

*1:今でこそデジカメにWi-Fiが搭載されているのなんて当たり前だろうが、Nikon 1 J1の頃にはまだ珍しかったのだ。

*2:わりとわざとらしい感じに周辺光量不足になる。

『Re:ゼロから始める異世界生活』18話までの感想

アニメ

ここ一年くらいですっかり、リアルタイムでは深夜アニメを見なくなってしまった。元々、「この分野の文化についてよく知らないのだから勉強しなくては」みたいなある意味不純な動機で深夜アニメを意識的に見始めたという経緯があるのだが、40歳に近付いてきたからか、なんかこう、もういいかなあという気分になってしまい、ぱたりと見なくなったのだった。なんていうか……見ていて疲れるんだよね。リアルタイムでちゃんと見ていたのは『アイドルマスター シンデレラガールズ』が最後かな。あれで燃え尽きたような気もする。以後は、人の評判を聞いて数年前に放映されていたものを配信などで後追いで見る、くらいの熱量になった。

そんなわけなので、ついこないだまでまったく知らなかったのだが何故か同時期に複数人の友人から勧められたので『Re:ゼロから始める異世界生活』を見始めた。ある日Amazonプライムビデオの新規配信タイトルを眺めていたらラインナップにあったので、ちょうどいい機会だとウォッチリストに入れ、それからしばらくたってやっと見始めた……くらいの期待値だった。

が、Amazonプライムビデオの一話見終わるとすぐに次のエピソードが再生されるシステムと、各話の最後に必ず大きなヒキがある作品自体の構成でなかなかやめ時が見つからず、休日に一気に15話まで見てしまった。その後、平日の寝る前に一話だけ見るかと思ったらちょうど山場だったので18話まで見てしまい、寝るタイミングを失ったりした。おもしろーい。オンエアで毎週楽しみに見るのもいいのだろうけど、これはVoD時代の一気見に最適化された作りのようにも思える。まあそれは穿ち過ぎか。

 

一話を見た時点では、「異世界転生」を速攻で受け入れる主人公に対して、おお……これが……現代の……フィクション……と苦笑しかけた。が、異世界転生フォーマットの物語が溢れているなろう小説という原作の出自によるもの、というのもあるだろうが、よくよく考えれば、我々の今いる世界に住む「ネット親和性の高いオタクがかった若者」を主人公とするフィクションであれば、主人公が「異世界転生」や「時間ループ」をすんなり理解して受け入れるというのが、ある意味で正しいリアリティなのかもしれない。それこそ現代を舞台にしたゾンビや吸血鬼ものであれば、人々が映画などでそれらのモンスターの習性や弱点をあらかじめ知っているので、「現実」の化物に対してもそれに沿った対策を練って行動するほうがリアリティがある、というのに近い感じか(フィクション仕込みの知識が裏切られる、というのもよくあるひねりの入れ方だ)。

もしも今、「異世界転生」を受け入れられない主人公を描くなら、亀という生物の存在しない平成ガメラ円谷英二がいなかった世界線の『シン・ゴジラ』のように、「小説家になろう」が存在しない世界というのを設定しないといけないのかもしれない

 

まあそんなことはともかく。主人公は現実世界では引きこもりの若者だったのに異世界転生後はリプレイ能力を駆使して男前やなー熱血ヒーローやんけー、っていう10話くらいまでも面白かったが、若さ故の調子こきによって窮地に立たされ小人物ぶりを発揮、いろいろ酷い目にも会ってこれはつらいね……となってからの話がとても面白い。

見る前になんとなく聞き及んでいた「途中で正ヒロインが変わる」っていう件については、10話まででも、あーこれかーと思った。が、オタ人気的には確かにこっちの子が正ヒロインっぽく見えるのはわかるけど、物語のスジとしてはそうなってないよね、ならまあサブヒロインに人気が集まるってのはよくある話だし別に……と思いきや、ギュイイインと音が聞こえるほどの勢いで物語がサブヒロインに向かってハンドルを切り始めるのでスリリング。超スリリング! このままでは物語的にも正ヒロインが変わってしまう、どうするんや……とハラハラしながら本放映時に話題を集めたらしい18話を見ると……思いっきり余韻を残す形でサブヒロインが自ら身を引いた。

ははあなるほど、ラブコメのシリアス局面で最も美味しい役どころであるところの “自ら身を引くライバルヒロイン” 役をあてがうのか、と。物語内では敗退するけど観客の切なさを刺激することで多大な人気を得る、試合に負けて勝負に勝たせる的な花の持たせ方で処理しようというのか、なるほどなるほど……と思ってたらそこでさらに踏み込みがあって、サブヒロインの身の引き方が健気すぎるんで逆に主人公が大反省、そっちにフラフラ行ってたのはつまるところ現実逃避、保身、異世界転生してうまいことやってた風だけどイキってただけなんやと慟哭。さらにそれに応えてサブヒロインが、あなたの中ではそうだったかもしれないが「私」はあなたの違う面を見ていたし、そうやって私が見ていた「あなた」はやはり愛おしい存在だったとこちらも真正面から打ちに行きます。

……これね、“異世界転生” ジャンルフィクションの “キャラクター” として機能しているにすぎなかった主人公に「内面」を発見=見つめさせ、そのうえでさらに自己の内面とは別個に存在する「他者」と、その他者からのまなざしによって発見される「自己の内面」とはまた別に存在する/してしまう「あなた」としての自分、……をも提示するという、とても誠実だと思うし感動的でもあるんだけど、ここでこの2人にそれを深掘りさせちゃうとこいつらの「内面」強度が極端に上がって、正ヒロインルートにハンドルを戻した後にそっちが見劣りしちゃわないかと……いや、そこがまたスリリングだと思いました。どうするんだ? どうなっちゃうの? おもしろーい!

とりあえず18話最後の台詞がいわゆる「ドヤ!」というあれ(最後にタイトルが出る系のアレ。みんな好きなやつ)だったので、よし、今日はここまででいいだろう、と視聴を止めました。続きは最終話まで配信に入ってから一気見しようかな。

あなたにはクンフー以外が足りないわ

ゲーム memo

他の対戦格闘ゲームのキャラクターと比べてはもちろん、『バーチャファイター』シリーズ内においてさえ、アキラのマジもんっぽさはヤバい域にあるのではないかという話を後輩とした。SASUKEにのめり込みすぎて無職になる人と同じような空気がある。最初は応援していた周りの人たちも、最近はちょっとどう接したらいいのか計りかねているような、抜き差しならないところまでいってしまって本人もどうしたらいいのかわからないような雰囲気というか。

「10年早いんだよ!」と言っているうちに、周りの人たちは仕事でも中堅の位置になり、家族を持ち、財をなしている。時たま呼びかけに応じてショー的な「試合」に出る者はまだいるが、アキラのように修行だけをして日々を過ごしている者などいない。10年、いや20年以上も同じステージで足踏みしているのは自分のほうではないかと気づいたときには、もう四十路の折り返しに来ていた。

自分には親から受け継いだ結城道場があるというのが悪い意味での安心感となり、人生設計を真摯に考えねばならない時期をやり過ごしてしまったのかもしれない。ただただ強さを求める、そのシンプルな、求道的な生き方に誇りを持っているつもりでいたが、今思えばそこに世俗的で猥雑な「人生」を生きる面倒さからの逃避がなかっただろうか。

深夜、公園のブランコに腰掛け、そんなことをぼんやりと靄がかかった頭で考える。己に問いかける。Why…人はなぜ戦う? Yes…何処かで真実の自分に出逢うためさ。だが出逢いたくなかった、こんな自分とは。振り切るようにブランコを飛び降り、すり切れ垢じみた鉢巻きを締め直す。ふと、「愛が足りないぜ」というフレーズが口から漏れた。そうだ、そうなのだ。もしかしたら、それがずっと足りなかったのかもしれない、だからこうなってしまったのだ、などという心地の良い自己憐憫、自己欺瞞に、今夜もまた、逃げ込む。

誰も待つ者のない、暗く黴臭い道場へ帰り、煎餅布団に潜り込む。目を閉じる。瞼の裏に広がるのは、電撃文庫ラノベヒロインたちや、やたらと肉感的なDoAの女キャラたちとの肉弾相打つ好バトル。あれはいつのことだったか。それとも、本当はそんなことなどなかったのか。だが、そんなのはもうどっちでもいいのではないだろうか。カッコつけたままじゃ抱きあえない。あの少女たちと。女たちと。目を瞑ったアキラの口元が小さな笑みで歪み、すぐに彼は眠りの淵へと滑り落ちていく。

人は彼を、バーチャファイターと呼ぶ!

 

愛がたりないぜ

愛がたりないぜ

 
 

リバーズ・エッジ

日乗 photo

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とある祭りを覗きがてら、近くの川縁を散歩。土曜日夕方近くの橋のたもとには、Pokemon GOをしている高校生グループ、スケスケの白いジャージを着て異様にゆっくりストレッチしてる中年男性、下半身丸出しで岸辺に佇む真っ黒に日焼けした老ホームレスなどがいて、そこそこ賑わっていた。

 

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少年ハリウッド

memo アニメ 舞台

録画して2年ほど寝かせておいたアニメ『少年ハリウッド』を見た。舞台公演回まで。原作(最初の舞台のやつ)とは全然違ってえらくリリカルな、主人公たちの心情に細く寄り添う話なのね……。

そして舞台公演回は、あのてのまだブレイクしてない若手イケメン俳優を集めてやるタイプの演劇公演(2.5次元ミュージカルとはまたちょっと違う)のあの雰囲気をかなり忠実に再現してて良かった。

ディズニーの双子コーデ

文化 日乗

夜に東京駅へ行ったら、ペアルック……というかまったく同じ服装をした若い女性の二人組をやたらと見かけた。最初に見かけた数組が制服ベースのコーディネートだったので、高校の何かの部活動で上京してきている子たちかなと思ったのだが、制服以外でもまったく同じ服装の二人組ないし三人組を連続して見かけて、これはなんなのだろうと首をかしげた。同行していた妻に尋ねたところ、たぶんみんなディズニー帰りだから(確かによく見るとディズニーランドのショッパーを持っていた)、何かのイベントとか割引きキャンペーンなんじゃないかと言う。あれか、同じ服装のグループは●●円引き、とかそういうのか。

で、後で調べたらイベントなどではなく、「双子コーデ」でディズニーに行こう、というのが数年前から若い女の子のあいだで流行ってるらしいですね。知らなかったなあ。もう若い人の流行り、文化はまったく知らないというか、何もキャッチアップできてないね……まあ俺自身が二十歳前後の頃でもディズニー周辺の何かのブームになんてぜんぜん触れてなかったから、まあそのまま年を重ねればこうなるのだろうけど。そうそう、ディズニーといえば去年知った「手下沼」っていうのにもいろいろ驚かされたなあ。そういうのがあるのかーと。

数年後に自分で読み返して思い出す用に、現時点での「ディズニー 双子コーデ」と「ディズニー 手下沼」のGoogle画像検索の結果を貼っておこう。

 

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天王洲銀河劇場が天王洲YOANI劇場へ

舞台

代アニが天王洲銀河劇場を取得、2017年4月から「天王洲YOANI劇場」に……というニュースがあって驚いた。ネーミングライツかと思ったら、ちゃんとホリプロから劇場そのものを買い取って運営するということのようだ。

 

www.yoani.co.jp

代々木アニメーション学院を運営する株式会社代々木ライブ・アニメイション(所在地:渋谷区代々木、代表取締役:中西 彦次郎)とその親会社である株式会社キョウデンエリアネットは、2016年2月1日付で、株式会社ホリプロ(代表取締役社長:堀 義貴)より「天王州 銀河劇場」を取得したことをお知らせいたします。
これにより、「天王洲 銀河劇場」は2017年4月1日より「天王洲 YOANI劇場」として代々木アニメーション学院によって運営いたします。

 

天王洲YOANI劇場」というネーミングセンスはどうなんだと思うのだが、両者の公式サイトを見に行ったら、さらにうーん……という気分に。

↓こちらは現在の天王洲銀河劇場公式サイト。

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↓そしてこちらがYOANI劇場取得をトップで報じる代アニの公式サイト。

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いや、こう言ってはなんだけど、代アニ公式サイトのアピールのしかたがパチンコ屋の広告みたいで雰囲気もクソもない。フォント選び、デザイン処理、言葉の選び方(「爆誕」って……)。あくまで「代アニ」の公式サイトなので、代アニへの入学に興味のある人に向けたアピールではあるんだけど、「本番練習」ってデカデカと書かれちゃうと、この劇場にかかる芝居は学生の練習用の作品なんですかと思えて、客の立場としてはあまり愉快じゃない。

本劇場では、これまで通りの営業公演が行われることに加えて、代々木アニメーション学院と協力関係各社による2.5次元ミュージカル等の公演を予定しています。
公演に当学院の学生を多数出演させてプロとしての本番練習経験を積ませることによりデビュー率の飛躍的向上を目指します。

ということなので、主に代アニ主催の2.5次元ミュージカル公演に学生を出演させることを計画してるのだろう(たぶんアンサンブルで)。

天王洲銀河劇場、俺はなんだかんだで10回ほど足を運んでいる(アートスフィア時代は知らない)。まあ立地的に便利な場所ではないのがネックといえばネックだけど、落ち着いた、雰囲気のいい劇場で、見たのはストレートプレイからロックオペラ、2.5次元ミュージカルとけっこう幅広かったが、どんなジャンルの芝居にも合う、広すぎず狭すぎず、ちょっとした高級感もあるちょうどいい塩梅の小屋という印象だった。そこのところは今後も変わらないだろうけど(別に2.5次元専門劇場になるわけではないようだし)、YOANI劇場というネーミングと代アニ公式サイトのPRのセンスを見ていると、若干不安にならないでもない。

まあでも、代アニって昔から、PRで使う言葉がなんというかこう“身も蓋もない”感じがあって、経営元が変わってもその感じが変わってないようなのを見ると、これはトップのセンスというんじゃなく組織に根付いたカルチャーなのかなという気がする。前にTumblrにUPした2001年頃の広告を引用しよう。

 

http://dokurobune.tumblr.com/post/23348275403/2001年頃の代アニ新聞広告超マシーンヒューマンクリエイター

dokurobune.tumblr.com

 

代アニの経営については以下の記事に詳しい。今は大江戸温泉物語のグループ企業なのね。

timesteps.net

 

ドラマ『スペシャリスト』の組織内秘密組織

TV

俺自身は別にぜんぜんファンだとは思っていなかったんだけど、今回のSMAP解散騒動→謝罪会見の流れに想像以上にダメージを受けている自分がいて、「アイドル」と「社会」の関係に思いを馳せる昨今。いろいろ考えてたらなんかしばらく気分が沈んでしまった。

 

さて、そんなSMAPの草彅君が主演のテレ朝ドラマ『スペシャリスト』。もともと2時間特番みたいので何回かやってたシリーズを今季から連ドラ化、という『相棒』パターンだ。草彅君演じる主人公は警察の警務課職員だったが無実の罪で10年間服役。その間に囚人仲間たちとの会話からありとあらゆる犯罪の技術や犯罪者の心理を学び取り、冤罪が明らかになって釈放されてからはその特異な知識に目を付けた上層部の異例の抜擢により刑事として復職する、という設定。ここ6、7年くらい洋ドラで流行っている、特殊な知識を持った人が警察のコンサルをするという一話完結式ミステリードラマの影響下にある設定だと思われる。一話完結式のミステリだが、かつて草彅君を冤罪の罠に嵌めた警察内部の秘密組織を追うというのが横軸になってるらしい。

 

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というわけで、特番時代のほうはぜんぜん知らなくて、今回の連ドラ化の宣伝として総集編みたいなので放映されたのをざっと見ただけで第一話を見た。ミステリードラマとしてはまあそこそこといったところだけど、草彅くんのふにゃーとしつつ虚無感のある芝居はわりと好きなのでたぶんこれからも見ると思う。こういうのは結局、探偵役のキャラクター次第だ。

 

で、ちょっと感心したというか「おっ」と思ったのは、件の警察内部の秘密組織の名前とされるのが〈我々〉だということ。情報提供者(まあ殺される)が死ぬ直前に「お前は、〈我々〉に近づきすぎた……」とか言うの。ここらへんのエピソードは特番時代から小出しにされてたらしく、レギュラー放送の第1回ではフラッシュバックでちらっと出てきただけなんだけど、つまりあれだ、情報提供者の言ってた「我々」ってのが単なる一人称複数のことだと思って見過ごしていたら、実は〈我々〉っていう名前の組織が存在するっぽい……! と気づくという、そういうツイストだね。

これね、こう、けっこうアガるものがある。いあや冷静に考えたらなんだその組織名は、って話なんだが。やっぱ警察とか軍隊みたいな巨大組織内に存在して陰謀をめぐらせる秘密組織っていうのはアガるものがあるし、その組織の名前とか仲間内での符丁もちょっと気の利いたやつにしたいじゃないですか。この〈我々〉ってのは、マンガチックではあるけどなかなかの捻り具合でいいなと思いました。

 

その他、最近見たもの読んだものの中でグッときた組織内秘密組織といえば、まあネタバレになるのであんまり具体的には書けないけど、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』のアレとかね。いや、アレが出てくるのは意外でもなんでもないんだろうけど、そこへ持って行くまでの段取り、タメのうまさとかね。マーベル・シネマティック・ユニバース繋がりでいえばスピンオフのドラマシリーズ『エージェント・オブ・シールド』第一シーズンでのアレの描き方も良かった。組織内秘密組織が出てくると疑心暗鬼展開になるのは常道ですが(あいつはもしかして秘密組織の一員なんじゃないか……的な)、このドラマでのその展開のさせ方はけっこう驚いたな。あとは、『スペシャリスト』もたぶん参照元にしているであろうとある洋ドラミステリーシリーズに出てくる組織内秘密組織*1。メンバー内でもその組織の決まった名前はなく、ウィリアム・ブレイクの詩から引用した「虎よ、虎よ」というフレーズを合言葉として使うので、暫定的に「ブレイク結社」と呼ばれている……という設定で、いやーやっぱ合言葉にウィリアム・ブレイクってのは憧れがあるよねー! と思いました。俺も組織内秘密組織に入りたい!

*1:これは長いこと引っ張ったネタなので念のためタイトルも秘す