NGM+その他の欲望

日々のサムシングについてのスクラップブック。

(メモ)Web小説の密度とマルチメディア展開するときの「原作」としての使いやすさ

ちょいとメモ。昨年あたりから、まあ今さらながらという感じではあるけど「なろう」とか「カクヨム」とかの各種Web小説投稿サイトの作品をけっこう読んでいる。こういうのはとにかくざーっと数をこなしていくのがいいだろうということで、いろんなものを摘まみ読みする感じで。

 

そのうちのひとつ、投稿サイトに連載しているとき第一部完まで読んでいた作品があるんだが、この作品の商業版電子書籍がたまたま半額セールしてたので最新巻まで買って読んだ。

この作品、連作短篇形式でベースとなる世界設定や作中で起きる出来事のスケールがかなり大きい話なのに、明らかに各話のボリュームが少ない。なんか高速で話が進み、気づいたらシュッと解決してしまう。あるいは尻すぼみになんとなく終わる。

Webで読んでたときにもこういう部分が気にはなってたのだが、小説投稿サイトというフォーマット/環境で読む分にはこれくらいの密度の薄さとボリュームがむしろちょうどいいな……とそのときは思っていた節がある。

が、さすがに商業版書籍にするにあたっては大幅加筆・修正をしてるんだろうと思ったら(それを確かめたくて電子書籍を買ったのだ)、わりとそのままだったのでけっこう驚いた。「書籍」というフォーマットで読むと(電子書籍であっても)、単なる書き込み不足にしか見えないのだから不思議なものだ。


ただこれ、(商業)小説として見ると書き込み不足にしか見えないんだけど、ここから例えばコミックとかアニメとかビジュアルノベル系のゲームなんかにすると……つまり絵と動きと音の演出がつくと、たぶん各話のボリューム、その物語内で起きるイベントの数はすごくちょうど良い感じなんだろうなと思う。たぶん、そういう別メディア展開がとてもやりやすい形の原作の気がする(俺は読んでないけどこの作品のコミカライズのほうも巻を重ねている)。

というかいわゆる「なろう」系・異世界転生ものの小説とアニメ、コミカライズの関係も大元としてはそういう感じということなのかな。俺が主に読んでるのはそこらへんとはちょっと違う方面なので、今までピンと来てなかった。そのうちそっち方面の有名な作品の原作Web版とアニメ版をちゃんと読み比べてみるのも面白いかもな。