NGM+その他の欲望

日々のサムシングについてのスクラップブック。

ガールフレンド・フロム・ヘル、そして寺田農のド変態インテリ悪役

いきなりこんな話をされても困ると思うが、ときどき「ガールフレンド・フロム・ヘル」というワードが頭の中にフラッシュバックすることがある。まあ、そんな話をいきなりされても困るとは思うが、とりあえず聞いてくれ。

これ、『ガールフレンド・フロム・ヘル』というタイトルのC級ホラーコメディ映画が80年代末にあったわけなんですが、俺はこの作品を見たおぼえがまったくない。ないんだが、テーマ曲だけは明らかにどこかで聴いたおぼえがあるのだ。なんだそりゃ。特にサビの「ガールフレンド・フロム・ヘール! ハッハー! Na-nanananana」みたいなところは確実に覚えている。どこで聴いたんだろうか。というか見たことあるのかこの映画。見たとしたらまあ、テレビの深夜映画枠なんだろうが、本当にまったく覚えがないんだよ。こんな映画なんですがね。

 

youtu.be

 

うーん、なんとも80年代末という感じだ。テーマ曲はこれ。

 

youtu.be

 

なんかこう、誰かがどこかでカバーしてそうな雰囲気はあるけど、この映画はアメリカのほうでも「カルト・クラシックとして今でも一部には有名」みたいな扱いでは別になくって単純に無名の映画みたいだし(そもそもアメリカでも劇場公開されてなくてビデオスルーだったようだ)。なんだろうこれ。

もしかしたら、当時レンタルビデオで見た他の映画の冒頭で予告編が流れたのを見たのかもしれない。それでテーマ曲の妙にキャッチーなサビの部分だけ頭に残っているのかも。いやわかんないな。やっぱり当時のTV深夜映画で見たのかな。

 

画像引用元:https://k-plus.biz/archives/29975

こちら当時のビデオジャケット。このジャケットにもあんまり覚えがないので、自分でレンタルして見たってことは多分ないはずなんだが……。

 

まあなんだかいろんなものがぼんやりしている。断片は確かに覚えているんだが、しかしその大元がなんだったのかはまったく思い出せない……ということがつい最近、もうひとつあった。

この3月に寺田農が亡くなってしまった。誰しも映画やドラマをある程度の本数見ていると、作品本編の面白さとは無関係に「この人が脇でちょっと出てくると何か得した気分になる」という役者ができるものだが、俺にとって寺田農はまさにそのようなバイプレイヤーの一人だったので悲しい。

で、寺田農というと俺はなんとなく「インテリのド変態悪役」を演じることが多いというイメージがあった。が、改めてフィルモグラフィーを振り返ると別にそうでもないんだよな。インテリの悪役はいっぱいあるけど、毎度毎度そこにド変態属性が付くかっていうと別にそんなことはない。ていうかむしろぜんぜんそんなことはない。何らかの昏い色気のようなものを感じさせる(悪)役、あるいは劇中で直接的に性的な行為をする役はすぐ挙げられるけど、でもやっぱり「変態」っていうのとは違う……。

 

上記のイメージはたぶん高校生くらいのときに見た何かの映画かVシネマでの役からきてるんだが、それが何という作品なのか思い出せない。ナチス将校風のコスプレして黒い口紅をした寺田農が、目隠し緊縛した女性の顔にグラスに入ったワインをツッと流しかけて「これは何かね?」「……おしっこです」と言わせるというシーンがあるやつ。こりゃど直球でド変態だわ。だがその作品が思い出せないのだ……こんな強烈なシーンがあるやつなのに……たぶん池田敏春のVシネマ関係か、あるいはその流れでの石井隆の何かか、もしくは実相寺昭雄のAV作品か……だが決定的なことは思い出せず、Blueskyのほうで「識者の情報を求む」と書いた。

親切な方々からいろいろ助言いただいて、改めてallcinemaで寺田農のフィルモグラフィーをひとつひとつ確認してたら……急に頭の靄が晴れて思い出した! 高橋伴明の『DOOR II Tokyo Diary』(1991)ですわ。filmarksに投稿されたレビューに件のシーンへの言及あるのでほぼ確定だと思う。たぶんTVの深夜映画枠でやってたのを見たんだろう。金曜ロードショーで『DOOR』一作目のほうを放映したときがあって、そのあとしばらくたってから深夜映画枠でやってたんじゃなかったかな確か。うーんこれですっきりだ。

『DOOR II Tokyo Diary』はVシネマで当時リリースされたきりDVD化等はされてなかったんだけど、ちょうど昨年、デジタルリマスター版が劇場公開されていた。YouTubeにUPされてる予告編でも件のシーンがちょっとだけ映っている。このタイミングでソフト化とか配信とかしないかな。

 

youtu.be