NGM+その他の欲望

日々のサムシングについてのスクラップブック。

はてダからはてブロへ

とうとう、というかなんというか、このBlogもはてなダイアリーからはてなブログへ移行してみた。昨年一年間、ゲーム日記としてのサブBlogをはてブロでやってみて、これはもう、はてダよりもはてブロのほうが使いやすいものになってるなと感じたので、メインBlogも引っ越すことにしたのだ。はてダを使い始めたのは2003年からだからおよそ12年、なんだかんだで長いな。というわけで、まだうまく移行できてないエントリもあるかもしれませんがよろしくお願い致します。

意外に生真面目『アフターショック』

新文芸坐の「シッチェス・ファンタ2013“復讐”オールナイト」に行って来た。世界最古のファンタ映画祭ことスペインのシッチェス映画祭から日本未公開のものを数本チョイス、だいたい一週間限定で特集上映するというのをここ数年松竹がやっているが(→公式サイト)、昨年の特集上映作品から4本をチョイスしたオールナイト。

『アフターショック』『ロスト・ボディ』『道化死てるぜ!』『バーバリアン怪奇映画特殊音響効果製作所』という、それぞれまったく異なった味わいの4本立てでたいへん満足感が高かった(お客さんはあんまり入ってなかったけど……)。さて、この4本の中では唯一(あんまり見たくないなあ……)と思っていた『アフターショック』が、意外や意外というか思いのほか生真面目な映画でちょっと驚いたのであった。どんな映画かっていうと、あらすじはこんな感じ。

南米チリ・サンチャゴ。長期休暇で訪れているアメリカ人観光客の“グリンゴ”は、地元のガイド・ポヨとアリエルの3人組で夜な夜なクラブ巡りを楽しんでいた。帰国も近づいてきたある日、同じくアメリカから旅行に来ていた3人の女性と下心ありありで仲良くなった3人は、締めくくりとばかりにクラブへ。だがそこで突然の大地震! 崩壊する建物、潰される人々、阿鼻叫喚の地獄絵図……しかしそれは、恐怖の始まりでしかなかった!

チリで地震でゴアゴア不謹慎大パニック! って感じなので、まあ別に不謹慎だからといって眉を顰めるつもりはないが、でもやっぱ個人的に大地震でそういうのはまだちょっと……と思っていたのだ。ところこれが、ゴアゴア不謹慎大パニックウェ〜イ! みたいな感じではなくて、妙に生真面目なところのある映画だった。ちなみにオールナイトではこの映画が一本目。で、これが終わった後にロビーで、男女三人くらいで見に来ていたたぶん大学生くらいの男子が「マジきつい……ほんとつらい、ちょっと休みたい」と言っていたのが印象的。少なくともその程度には生真面目な映画だった。

主人公格の6人の登場人物が皆、どこか傲慢だったり身勝手だったり優柔不断だったり厭な部分があるのだが、それは俗世の人間であれば誰しも少なからず持っているであろう部分で、「嫌味な奴が酷い目に遭う」というホラー映画のクリシェ的なものからは微妙に外れる。実際、大地震後の混乱で彼ら彼女らは平穏だったときの自らの行いを悔いるのだ(地震前のちょっとした行動が遠因となって危機に陥ったりする)。だが、悔いたところで助かったりはしない。そして彼ら彼女らを襲う悪役的存在たちも、どうしようもない外道として描かれるかと思えば、ふと、そんな彼らにも仲間との、家族との絆と思いやり(まあ厭な感じの思いやりですが)があるのだ、ということを後景でさらっと描いてみたりする。その手つきがなんとも生真面目で、ゴアゴア不謹慎パニック映画だぜーウェ〜イ!! くらいの気分で半笑いで見始めると、なんていうかズシンと胃に重いの一発くらう感じで……。まあ最後あたり、お前ほんと何がしたかったんだよ! と突っ込まざるをえない展開はあったけど。

前述のとおり、俺は大地震でゴアゴア大パニック! みたいな映画はまだちょっとキツいから見たくないな……と思っていたのだが(あまり気分が乗らずに見たというのが本当のところだ)、いざ見てみたらこんな感じなので、なおさら複雑な気分になってしまった。ていうか俺、どうもイーライ・ロスが好きになれないのってこういうところで、ゴアゴア不謹慎ウェ〜イ!! みたいなセンセーショナルなテイで宣伝とかするくせに、映画自体は妙に生真面目なところがあったりするんだよね*1。もうそういうところほんとイヤ! 露悪趣味で偽悪者の優等生め!

アフターショック Blu-ray

アフターショック Blu-ray

  • 発売日: 2014/02/08
  • メディア: Blu-ray

*1:ロスは本作では製作・脚本・出演で、監督はニコラス・ロペスという人物だが

Like a record round! round! round!「ナウ・ロマンティック」

ローソン行ったら店内放送で「ナウ・ロマンティック」が流れてきて、なんか妙にいい雰囲気のアレンジだった。曲紹介が聴き取れず、誰がカバーしてるんだろうと思って調べたら、藤井隆が設立したレーベルの第一弾だったので驚いた。

藤井隆レーベル設立、第1弾はKOJI1200カバー

カバーしてたのは藤井隆×椿鬼奴×レイザーラモンRGのLike a record round! round! round!というユニット。アレンジはtofubeats。へえー。

この曲は配信専用ということなので、さっそくiTunesで買ったよ。これねー、椿鬼奴の歌声が、MIO(ダンバイン主題歌の)や杏子をもっと酒焼けさせたようで、尚且つニューロマンティックっていうよりニューロティックな響きもある絶叫系で、とてもかっこよかった。






ナウ ロマンティック

ナウ ロマンティック

『ザ・ベイ』 モキュメンタリーホラーとしては佳作なんだけど……。

『Evidence』を見た、その他POVモキュメンタリーもので見たいやつ


ここで言及している当時日本未公開だった映画のうち、『クロニクル』は期間限定ながらも昨年後半に劇場公開され、見た人の評判も上々だったようだ。俺も見に行ったけど、とてもセンシティブな青春映画だったよ。POVスタイルであるというのが、主人公の少年の本質的な孤独感をこれ以上ないほど表していた。
さて、もう一本、最後に紹介していた『ザ・ベイ』が、「カリコレ2014」という新宿シネマカリテの特集上映で、ちょっと変則的な形ではあるけれど劇場公開された。というわけで見に行ったよ。



あらすじを書いておくと、こんな感じ。

アメリカ・メリーランド州チェサピーク湾に面した海辺の町クラリッジ。大学でジャーナリズムを専攻するドナ(ケサー・ドナヒュー)は、独立記念日を祝うカーニバルで賑わう町を取材している。ストックマン市長(フランク・ディール)は海水濾過施設とそれを利用した鶏の飼育工場が自慢で、豊かな水資源こそが町の原動力だと演説。だが、その「水」に触れた町の人々に、突如として謎の疫病が発症する。全身の発疹、短時間で壊死する四肢、ズタズタに破壊される内臓……いったいこの町で何が起こっているのか!
パラノーマル・アクティビティ』『インシディアス』シリーズの制作者×名匠バリー・レビンソンという異色のタッグで送る、ファウンド・フッテージタイプのモキュメンタリー・パニックホラー。


ファウンド・フッテージっていうのは、なんかすごい事件があった後に発見されたフィルムやビデオを再構成して映画にしました、っていうテイの構成のこと。今作は、海辺の町クラリッジが災厄に見舞われてから数年後、事件当時のホームビデオや防犯カメラ、Skypeビデオチャット等々の「映像資料」を編集し、ビデオジャーナリスト見習いとして取材中にたまたま事件に巻き込まれ生き残ったドナが、その映像を見ながら当時を述懐するナレーションを入れる、という構成になっている。すでに大ベテランの域にあるバリー・レビンソンが、この「最近の低予算ホラーで流行りのスタイル」を完全に我が物とし、かつベテランらしくうまいことまとめあげた佳品、というのが感想だ。カッティングエッジなとこはないけれど、安心して楽しめる。いや内容的には「安心」と言ってしまうとあまり褒めてないことになるんだが。だがまあ、そんな感じ。

ところで本作は2012年制作の作品なんだが、日本で公開されるまで時間が空いてしまった。で、その時間のずれによって、思わぬ弊害(?)が出てる部分があるんだよね。一応、映画の核心に触れる部分なので(実際のところ知ってて見ても楽しめるとは思うが)、畳んでおきますね。

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2014年のピンボール(ベタ)/「ピンボール ワンダーランド!」@新宿タカシマヤ・1F JR口特設会場

ゴールデンウィーク最終日。というわけで午前中から出かける。新宿高島屋一階のエントランスでGW中に開催している「ピンボール ワンダーランド!」というイベントを覗くためだ。このイベント、つい一昨日くらいに知ったのだが、60~80年代のレトロピンボールマシン20台弱を展示、もちろんプレイできるというもの。ピンボールマニアを名乗れるほどの知識もプレイ経験もぜんぜんないが、昔からビデオゲームピンボールは好きだし、実機も見かけたらなるべくプレイするようにしているので期待して行った。

というわけで高島屋エントランスに着くと、オープンスペースでの開催(入場無料)でしかもGWということで、老若男女問わず入れ替わり立ち替わりでやってくる盛況ぶり。小さな子供がプレイするとき用の台も用意されていて、親子連れがピンボールに興じている様は他のところではなかなか見られない光景だった。ディスクジョッキーが80年代洋楽ヒットメドレーをガンガン流してて、ミドル層もどんどん入ってくる。

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たぶん、今でも多くの人がピンボールというアーケードマシンのことを知っている。が、実機でプレイしたことがある人というのは少ないだろう。そのほとんどはアメリカン・フィフティーズのポップアイコンとして映像や写真などの風俗資料に出てくるのを見たことがあるとか、あるいはフィフティーズ風デザインで構成された広告なんかにその意匠を取り入れているのを見たことがあるとか、そういう間接的な接触がほとんどのはずだ。

ピンボールの実機は、今ではごく一部のゲームセンターの奥にひっそりと置かれていたり、ダーツバーの一角にちょこっと置かれていたりと、なかなか「マニアでもなんでもない普通の人」が気軽にプレイできるシチュエーションはそうそうない。誰でも知っているアーケードマシンだけど、年齢層が下がるにつれて実機に触れたことがない人の割合が大きくなるというのが現状だろう。そういう人たちが買い物ついでにふらっと立ち寄って遊べるというのはとても素晴らしいことなのではないだろうか。

最初に書いたとおり入場は無料。プレイしたくなったら入り口で100円払うとメダルを2枚買える(1プレイはメダル1枚なので、100円で2回プレイできる)というシステム。このメダル、一度に買えるのは2枚までで、それ以上のまとめ買いはできない、という制限があったのも地味に良かった。つまり、2回プレイしてもうちょっと遊びたいと思ったらまた入り口まで戻ってメダルを買わなければいけない。一見面倒に思えるが、これによってメダルまとめ買いでひとつの台をずっと占有するということができなくなり、自然とみんないろいろプレイして回ることになる(もちろんプレイ自体に時間制限が設けられているわけではないので、腕があれば同じ台を長時間遊べるわけだけど)。

このイベントみたいな、かなり趣味的なテーマをマニア層向けじゃなく広く一般向けに開放するタイプの催しには、「ちょっとテンションが高すぎる人(たち)」がずっと同じ場所に陣取ってしまい、本来のメインターゲットである一般の人が入ってきづらくなるというアレ、まあそういう微妙な雰囲気問題があると思うんだけど(考えすぎかな?)、それをどっち側の人の気分も害さずに解決しているシステムだなと俺は感じた。行き届いている。

個人的には、ソリッドステート化以前のエレメカピンボールの実機を初めてプレイできたのが嬉しかった。なんていうかこう、すごく頭悪い感想だが、あのねー、台の中でいろんな機械がゴトゴトジャキンジャキン動いてる感がダイレクトに指に、目に、耳に伝わってきて、すごい、よかった(頭悪い)*1。こういう場が常設されてるといいなーとか、主催者の苦労も知らずに思ってしまったものだけど、ピンボールに限らずこれからのアーケードゲームの展開にも、何らかのヒントになるような気がしないでもない、なんていうことを、ぼんやりと考えながら帰路に就いた。とても多幸感のある素晴らしいイベントでした。

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このイベントにあわせ、タカシマヤ内のいくつかのスペースで関連展示が行われていた。これは170台ほどしか生産されなかったというたいへん希少な筐体・『Matahari EM』(Bally/1977)。『Matahari』はソリッドステート版とエレメカ版の2バージョンがリリースされたそうで、当時主流のソリッドステート版はたくさん製造されたけどエレメカ版はごく少数しか製造されなかったんだとか。エレメカなのでスコア表示がドラムリールだ。後で調べたら、ピンボール実機を多数置いていることで有名なゲームセンター・ネバーランドが協力していたようだ(→NEVERLAND HOMEPAGE-PINBALL MACHINES)。

1973年のピンボール (講談社文庫)

1973年のピンボール (講談社文庫)

 

*1:中身は例えば、こんな感じ。→

http://shop.plaza.rakuten.co.jp/ota/diary/detail/201302260000/

石原さとみの鏡月CM

石原さとみ鏡月CMは、なんつーか、童貞中学生が五日間くらいオナ禁した果てに幻視する「世の全ての女の子は皆可愛くてエロい」というある種の多幸感的リビドーの自意識肥大の果てにオールナイトニッポン2部まで聴いてもギラギラして眠れないので「歌うヘッドライト」をぼんやり聴き流しながら考えた「俺がラブコメ漫画家だったらこういうシチュエーションを入れるんだけどな……」妄想みたいでたいへん好ましい。あごめん俺の昔話しちゃった。






ガラスや鏡の拭き掃除にはグラススクイジー(水切りワイパー)が死ぬほど便利で超早いと今さら気づいた36歳の春

春だねーと思ってたら急に寒くなったね今日は。さて、週末なので家の掃除をしていた。埃っぽくなったベランダを掃除し網戸を拭いて虫除けスプレーを吹き、スプレーが付着して汚れた窓ガラスを拭いて……というところで、先日Amazonでレコメンされて500円程度と安いので思わず買ってしまった掃除道具を思い出した。グラススクイジーというやつだ。





あの、よく清掃業者の人がビルの窓ガラス拭きのときに使ってるアレね。英語名だとどんな道具だかイメージしづらいからか、「ガラス水切りワイパー」という商品名も多く使われているようだ。ヘッド部分に生ゴムが取り付けられていて、ガラスを水拭きした後にこいつをキューっと上から下まで滑らせて水気と汚れをこそげ落とす。まあほんと、自動車のワイパーと同じ構造です。

で、安いしたいして期待してなかった。とりあえず水拭きの補助になりゃいいやくらいの気持ちで……だけどこれ、マジすごいね! 今まで窓ガラスの拭き掃除って、ガラス用洗剤をスプレーして拭いてその後さらに乾拭きしてとか時間かかるしけっこう力使うしで面倒だったんだが、グラススクイジー使ったら水拭きだけで一瞬で終わった! わざわざガラス用洗剤使うまでもなく付着した汚れが綺麗に取れてピカピカになった!

マジ便利だ……ガラス拭きスプレー使うとコーティングしたみたいにピカピカにはなるけど、乾くと拭き跡の油膜みたいのが残って、それ拭き取るのにすごい力入れて乾拭きしてたのに、スクイジーだと水拭きした後キューってやるだけで終わる……ただの生ゴムなのにすげえ……マジすげえよ……清掃業者の人が使うのもわかるよ……超時短じゃん……ここ何年かで買ったもので一番感動した……俺は今PCがぶっ壊れて*1半ば発狂した勢いで全ゲーマー憧れの宇宙最強ゲーミングPCブランドであるところのAlienware*2を買うための金の算段をしていて胃が痛い状況なんだが、たぶんAlienware買って得られる感動よりもこのグラススクイジーで得られた感動のほうが数段上であろうことは今から予想できる……なにせこっちは500円、それで驚くほどの時間と労力を節約できて、余った時間で優雅にTwitterとかできるのだ!(実際、あまりに感動したので余った時間でグラススクイジーの素晴らしさについて連続ツイートしてしまった) 賢い! グッドハウスキーパー

そんな感動を私に与えてくれたのは、山崎産業の「2989.jp グラススクイジー 30EX」。

2989.JP 水切り グラススクイジー30EX 30cm幅

2989.JP 水切り グラススクイジー30EX 30cm幅

と、TV通販みたく紹介するが、別にこの商品に限らずグラススクイジー全般、どの商品もAmazonのユーザーレビューは総じて高評価のようだ。いや、ふだん使い慣れている人には何を今さらということなんだろうけど、今まで「拭き跡が残りづらい」と謳っているガラス拭きスプレーやら「天然オレンジオイル配合で拭き跡知らず!」とアピールしているガラス拭き用ウェットシート*3やらをいろいろ渡り歩いてきた人にはほんと、鮮烈な感動を与える掃除道具だと思う。どの商品でもだいたい1000円以下で買えるし。ほんとねーこれ、今年のヒット商品番付横綱にすべきだね。東西両方で。それくらい素晴らしい、有史以来積み重ねてきた人類の叡智の結晶、この汚辱に塗れた卑しき大地でさえ猶高らかに響き渡る力強い人間賛歌、人の業の全肯定とも言える掃除道具です。
エチケットブラシde網戸掃除 ピンク N47

エチケットブラシde網戸掃除 ピンク N47

*1:このエントリも妻のPC借りて書いてる。

*2:たぶん本物のハードコアゲーマーなら自作でもっと気の狂ったスペックのPC作るんだろうが、スペック的にどうこうというよりケースのデザインがいい塩梅でボンクラGeek濃度強いのと「宇宙最強」とか小学生並の自信満々フレーズを織り交ぜて平然としているブランディングによってある種のステータスシンボルとなっている。他の同スペック帯BTOゲーミングPCと比べて数万高いのはそのステータスを買うため。

*3:スプレーに比べて確かに拭き跡は残りづらいのだが枚数少ないのでどうしても割高になる。