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傑作!『THE 地球防衛軍』

msrkb2003-07-07 SIMPLE2000シリーズ Vo.31 THE 地球防衛軍PS2/D3パブリッシャー)。想像していた以上に傑作だった。開発元サンドロットの前作『ギガンティック・ドライブ』のゲームエンジンを流用したとはいえ、2000円でこのクオリティはちょっと驚き。
 ゲームとしてはよくあるタイプの三人称視点・箱庭型3Dアクションシューティング。異星人の襲来から地球を守るためにマシンガンやらロケットランチャーやらで撃って撃って撃ちまくるわけだが、出てくる敵が渋い。『放射能X』ライクな巨大蟻とか、『宇宙戦争』に出てくる火星人のウォーマシン(『Half Life 2』E3デモに出てきたStriderの元ネタでもある多脚戦車)みたいなの、そしてゴジラばりの巨大怪獣。2000円ということでバリエーションこそ少ないが、これらの敵が広大なフィールドを埋め尽くさんばかりにわらわらと登場する。プレイヤーキャラはわりと固くて死なないので、敵の群れに特攻かけて思う存分撃ちまくることができる。単純だけど、手軽に爽快感を味わいたいならちょうどいいゲームだろう。
 だけど、本作を本当に勧めたいのはやっぱり、いい年こいて怪獣映画やSF映画が好きなお前らや俺のようなボンクラどもだ。このゲームはほんとうに素晴らしい「絵」をみせてくれる。例えば遠くにそびえ立つタワーに巨大蟻の群れががびっしりと張り付いているところ(それをロケットランチャーで撃つと倒壊したタワーと一緒に巨大蟻がボロボロと落ちていく)、こちらに向かって逃げてくる群衆、それを追う原色のUFO、放たれる赤い怪光線、海の向こうからゆっくりと足音を響かせて進軍してくる3機のウォーマシン、それを海岸からロケットランチャーで迎撃しているとオペレーターの「罠です!」という叫びが聞こえ、そしてレーダーには敵を表す赤点が無数に表示され、後ろを振り向くと丘の向こうから巨大蟻の群れがやってくる、都心部超高層ビル群の隙間に見え隠れする巨大怪獣の尻尾、見上げると咆吼とともにビルが倒壊し、怪獣が姿をあらわし、炎を吐き、プレイヤーは戦車を後退させて距離を取りつつ、砲塔を旋回して迎撃する、だがその攻撃ははずれ、関係のないビルや歩道橋や避難民に直撃、瓦礫の山、阿鼻叫喚……。
 圧倒的な「怪獣映画の一場面」としてのリアリティ。そしてそれが今まさに自分によってプレイされている画面である、ということの恍惚。街並みのディテールや敵キャラのモデリングなど、各要素ごとに見ていけばこのゲームのグラフィックは2003年現在としては決して見栄えのするものではない。だが、全体的な「絵」の完成度としては、素晴らしいの一言だ。騙されたと思ってぜひプレイしてみてほしい。

SIMPLE2000シリーズ Vol.31 THE 地球防衛軍

SIMPLE2000シリーズ Vol.31 THE 地球防衛軍