アクセス解析見てたらちょいと不思議なことが。
本日の早朝5時台に、アクセス数が通常の50倍ほどに膨れ上がっていた。時間帯が時間帯だけに、いつもならほとんどアクセスがない頃合だ。ページビューじゃなく、ユニークアクセスでいつもの50倍っていうのはちょっと異常。
で、どうやらその時間帯にアクセスしてくれた人たちは皆、検索エンジンで「すぐにけせ」というワードを検索してこのサイトに流れ着いた模様。今日現在、Googleで「すぐにけせ」を検索すると、去年の7月に書いた「ゲームと怪談(http://d.hatena.ne.jp/msrkb/20040722/gamekaidan)」という記事中の該当ワードがヒットして、検索結果トップになっている。
この記事は2chレゲー板の「レトロゲームの怖いバグ」というスレッドを紹介したものなのだが、引用した中に以下の書き込みがある。
87 NAME OVER 2003/09/20 16:27 ??? mailto:sage
2ちゃんのどっかの女神転生スレで見た話なんだけど、いいかな。ある人が真メガをやろうと思って、ぱっと電源を入れたわけだ。
いつもならアトラスと出たあとに例の魔方陣が出てくるはずなんだが、
いつまでたっても画面がまっくらなんだとよ。
「おかしいな?」と思って、しばらくそのまま待っていたら、
途端に画面いっぱいに「すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ」と出てきたんだとさ。読んだ時は正直ネタだろと思ったんだけど、怖かった。
たぶんこの話題について調べていたんだろうけど、なんでまたこの時期に、しかもこんな早朝に、この話題について調べる人が大量に出てきたのだろうか? アクセス解析見ててちょっと怖くなったぜえええええ!(小心者)
たぶん2chのどこかのスレッドでこの話題が出てきたからなんだろうけど、もしもご存知の方がいればそっと教えていただけると幸いです。
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※05.04.27追記:どうやら双葉の虹裏でこの手の話題が出て、「検索すればもっと見つかる」というようなレスがあったそうです。ていうか君ら早く寝なよ!
さて、この『真・女神転生』の恐怖メッセージ話、どうやら初出はオカルト板の「ゲ ー ム に ま つ わ る 怖 い 話」のようだ。レゲー板の書き込みとは細部が違うから、こっちも引用しておこう。
527 名前: 投稿日: 02/06/09 18:00
友達が真女神転生2(SFC)やってた時の話。夜中に電源入れたら、
メーカータイトルも出てこないでまっくらな画面のまま。で、「接触不良?」って思っていたら、真っ黒な画面いっぱいに
「すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ」って赤い文字が
びっしり現れたんだって。
そいつ、それから一切メガテンやらなくなった。
レゲー板の87氏はたぶんこの書き込みが記憶に残っていて、それを思い出して書いたんだろう。
いかにもネタっぽい話だが、その後、次スレの「レトロゲームの恐いバグ 2シーン目」で、こんな書き込みがあった。
32 :NAME OVER:04/10/30 14:34:10 ID:???
>>7
懐かしい・・・そろそろネタバレしてもいい時かな。それを仕込んだの、おれです。もう一人のプログラマとグルになってやりました。
当時、いわゆる「隠し要素」を取り入れるのが流行っていた時代で、
女神転生というタイトルにふさわしいものを、と、メインには黙ってやっちまいました。
最初は1/256に設定していたんですが、これだと結構な率で発生してしまって面白くない。
そこで1/65536に。初期ロットが出たすぐ後に見つかって修正されましたけどね。
今ではいい思い出です。
この書き込み自体がさらにネタっぽい話ではあるんだが、ちょうどいいオチが付いたとも言えて、逆に都市伝説として人口に膾炙しそうな話になったと思うんだが、如何だろうか。「いかにも作り話っぽい怪談→しかし関係者(と名乗る人物)の発言により、合理的(に見える)理由がつく→じゃあその現象自体は本当だったんだ!」っていう都市伝説の伝播の過程での成長が伺えて興味深い(32氏の書き込みが仮に真実だったとしても、さらに話を広げられるような、聞き手の想像力を刺激してやまない部分があるので、ヴァリアントは広がるだろう。例えば「初期ロットのみ」っていうところなんか、いろいろ広げられそうじゃないですか)。この開発者らしき人の書き込みは、確か閑。かRPG板ウォ(゜∀゜)チィ!でも補足されていたはずなので(ログはちょっと見つけられなかった。確かどっちかで去年の末頃に取り上げられてたと思うんだが)、けっこうメジャーな話になってるんじゃないかな。
ところで、最近のゲームで「怖いバグ」が存在するとして話が広がっているものに、『かまいたちの夜2』がある。
野暮を承知で言うと、この「不可解なバグ」とされるメッセージはバグでもなんでもないし、もちろんオカルト的な何かでもない。発売当時のファミ通の攻略記事で、このメッセージのことはちゃんと触れられていた(これでシナリオコンプリート、とかなんとかそういうノリで)。また、『かまいたちの夜2』のシナリオに参加した作家の小説を読んだことがある人なら、さもありなんとニヤリとするような内容・文体でもある。
ただ、このメッセージは本編とはまったく関係なく、本当に唐突に挿入されるので、かなり気持ち悪いことは確かだ。別にオチも何もない。ただプレイヤーを不安にさせることだけを意図しているのだろう。トラウマ狙いのあまり趣味の良くない悪戯だ。
面白いのは、このメッセージを「バグ」だと言う人が多いことだ。もちろん中には本当に、開発途中のアタリ用ダミーテキストやフラグの取り忘れだと思ってる人もいるかもしれないが、たぶん多くの人はこのメッセージが意図的に挿入されていることはわかっているだろう。でも、そこにどんな意味があるのかはよくわからない、何か気味の悪いモノとして捉えられているようだ。
そして、その気味の悪さが「バグ」と名づけられている。だからここで言われている「バグ」とはプログラムの不具合のことではなく、“プレイヤーが感じる漠然とした不安感”そのものだ。「開発者が」意図しなかった不具合としてのバグではなく、「プレイヤーが」意図しなかった/予想しなかった反応としての「バグ」。
本来ならばプレイヤーの入力に対して決められた反応をするはずのゲームが、こちらの期待/予測しているのとはまったく違う反応を返してきたとき、プレイヤーはある種の不安を感じる。突然、「ゲームを操作する」ことの主体性を剥奪されたように感じるからだ。実際にプログラムの不具合だろうと意図的な演出や隠し要素だろうと、ゲームに主体的に介入できなくなったという点ではプレイヤー側にとって同じことなので、それは明確に区分されることなく、「バグ」として一括りに語られる……のじゃあないのかな。
『かまいたちの夜2』の不可解なメッセージの場合、これになんらかのシナリオ的な意味(何かの伏線になっているとか他のシナリオの謎解きになっているとか)やゲーム的なオチ(メッセージ自体に意味はないがすべて読むと最後の隠しシナリオがオープンされるとか)があれば「バグ」と表現されることもなかっただろうし、あまり話題にもならなかったはずだ。そういったわかりやすい意図がなかったから、多くのプレイヤーは気味悪がったのだろうし、「バグ」にまつわるある種の怪談として認知されているのだろう。
ゲームにおいては、「バグ」と「怪談」は親和性が高そうだ。
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