というわけで今年の東京ゲームショウ(TGS)の感想をメモ。
開場時間とほぼ同時に現地に着いたんだけど、混んでたなー。PS3効果だ。だが混んでるのはSCEとスクエニ、コナミのブースがあるあたりだけで、もう一つのホールのほう(MSなどが入ってる)は比較的空いてる。というか場所によってはガラガラ。極端すぎるね。
あと目に付いたのは、各社のブースが前年までと比べてかなり簡素な作りになっていたこと。どこも引き締めてるんだなあ。コンパニオンのお姉さんも少なくなった気がする(でも実際のところ、これくらいの人数でちょうどいいと思う)。そういう意味で言えば、携帯電話キャリア各社のブースだけは豪華に気を吐いていた。ナンバーポータビリティ施行直前ということで、どこだろうと機会があればガンガンアピールしていきたいんだろうな。出展企業数は過去最大だったと思うけど、欧米資本のパブリッシャーが軒並み出展してなかったりするので、いわゆる「ゲーム会社」の出展は少なくなってるんじゃないのかな。携帯電話各社とペリフェラル関係の1コマスペースの展示増加などで、「企業数」自体は多くなっているということで。
ショー全体の印象は……うーん、人は多いけど、ぶっちゃけ見るべきところはあまりないショーだったなあ、というのが正直なところ。
Wii関係は任天堂が出展してないので別に期待してなかったけど*1、PS3関係が想像以上にしょんぼりな感じだったよ。まさかこの期に及んでシアター形式の展示をでかでかと行ってイメージ映像垂れ流しでアピールするとは思わなかった<SCEブース。去年と同じでたいへんいろいろ苦しい。去年は360のプレイアブルタイトルが(ハード発売前なので)こなれてなくて苦しく、一方でPS3はイメージ映像のみを派手派手しく見せることで相対的に期待感上昇に成功していたが、二年連続で同じ事やられてもどうだろうなあ。微妙なんじゃないか。
PLAYSTATION 3ブース
PS3のプレイアブルタイトルは、おしなべて普通であった。ちょっと良かったのは、バギーとか二輪車がオフロードで爆走する『モーターストーム』というレースゲームで、これは去年流れたイメージムービーにかなり近いレベルになってたのでグッときた。が、全体的に処理落ちしているというか、妙にもっさり動いてるのはまだ開発途中だからか、それとも本来のゲームスピードがああなのか。あと、ドラゴンに乗って空飛んだりして戦う『LAIR』というゲームの映像はちょっとすごかった(ゲームとしてのプレイ感覚自体は普通)。
サプライズってほどではないがちょっと驚いたのは、SCEアメリカが、少し前に話題になった「Flow」というFlashゲーム(http://intihuatani.usc.edu/cloud/flowing/)をPS3に移植してたこと。内容はほぼFlash版と変わらない模様。雰囲気ゲーで好きなんだけど、べつにこれPS3で出されてもなあ……。どうやらダウンロード専売タイトルのようだが。
あとコナミのFPS、『コーデッドアームズ』は……ステージで通信対戦のイベントをしてたんだけど、壮絶な処理落ち・ラグラグのコマ送り状態でほとんどゲームになってなかった……これはまだ人前に出すべきじゃなかったんでは。途中でフリーズして再起動したのを見ていた人の情報では、UNREAL Engine 3のロゴが出ていたとのこと*2。うーん……。
Xbox360ブース
360ブースもわりと普通ではあったけど、こっちはすでに発売後一年たってるので、「普通に順調」という感想。『ギアーズ・オブ・ウォー』がプレイアブルだったらよかったんだが。
『ブルードラゴン』と『ロストオデッセイ』は個人的にあまり興味ないんでパスしたが、90分待ちとかだったのでけっこう盛況か。あとでYouTubeにUPされてたプレイ映像を見たが、どちらも実に王道の和製RPGで、そこに最新ハードの性能を使ってグラマラスな演出・装飾をしているという印象。すごく正しいと思う。今現在の360のユーザー層にはあまり刺さらないだろうけど、ごく一般的なゲームファンの人には十二分に響く絵だ。どうせPS3はしばらくこなれてないソフトしか出ないだろうし、開発に時間がかかる正当派のRPGならなおさらだ。HDD抜きのコアシステムとの同梱パッケージも、真っ当にアピールすれば(TOKIOのCMみたいのじゃなくてな!)ちゃんと売れるかもしれない。それで買ってくれたユーザーが二本目三本目と何か手にとってくれるかとか、HDDを買ってきてXbox Liveを活用するかとか、そういうのはまた別問題だけど。
その他雑感・気になったソフト
- DS関係も各社順調に普通。超安定。別にTGSで目立とうが目立たなかろうが、今現在の主役であることは間違いないので、わりとスルーしてしまったが。
- スクエニがDSで出す『すばらしきこのせかい』が思ってた以上に小気味よかったのでちょい好感度上昇。それとは関係ないが、このタイトルといい、キャラ設定やストーリーといい、90年代後半の深夜アニメみたいな中学生テイスト濃厚で、なんかこう、体をくねらせて身悶えたくなる気がするがたぶん気のせいなので気にするな。しずめる方法は俺が知っている俺に任せろ。
- DSで『どきどき魔女裁判』というかなり強まった不謹慎なタイトルのゲームが出るって話をついこないだ知って、さていったいどこが出すんだと思ったらSNKプレイモアだった。ブースで映像が流れてたのを最後の部分だけちょろっと見た。普通に萌えゲーだった……あのイラストで、丸太をくくりつけて池に突き落としたりするんだろうか(浮いてきたら魔女、溺れたら人間)。
- そのあとに流れたのが、サムスピのメイド女子が出てくるDS用のスケジューラソフトで、こりゃあすげえな音速だと思った。
- SoftBankブース(携帯電話アプリのPRとして出展)が何をとち狂ったかメイドカフェ。ブースの中にメイドカフェがあるんだ。よくわからないな……。欧米のプレスの人がベンチに座ってメイド姿のコンパニオンの人とすごく仲良さそうに携帯電話を見せ合ってた。俺たちはそれを後ろから眺めてた。
- CERO18タイトルはすべてクローズドの展示になってた(入場するには身分証明書が必要)わけだが、これはめんどくさいよな。めんどくさいうえにくだらない。CESA主催のショーだしお子さんも来るイベントなんでしょうがないんだろうが。しかしくだらないことだ。
- 『お姉チャンバラ』の360版は無駄にエフェクトが派手でプレイしづらく、でもゲーム内容はあいかわらずだったのでとても微妙。このシリーズはあの値段のうえでバランスを保っていた商品だったなあと思った。
- 一方で『地球防衛軍3』は期待どおりのできで素晴らしい。巨大な敵が大爆発したとき、爆発のエフェクトじゃなくてカメラがガクガク揺れるほうに力を入れてたのがこのゲームの最高なところだ。
- トゥームレイダー新作のララの顔ってなんかシャバくね?
昨年までのTGS感想:TGS2003、TGS2004、TGS2005その1、TGS2005その2。
*1:いくつかのブースで展示のみされていた。プレイアブルはもちろんなし。
*2:例えばNao_uさんなどが言及している。http://game.g.hatena.ne.jp/Nao_u/20060924