NGM+その他の欲望

日々のサムシングについてのスクラップブック。

柏原芳恵さん

NHK BSプレミアムで「レッツゴーヤング」を再放送していて、妻(80年代歌謡好き)がわりと熱心に録画している。寝る前に僕も一緒に見ることが多いのだけど、やはり昔のテレビ番組というのは金がかかっていたなあというのは強く感じる。ハイデフ時代になって、地上波のハイビジョン放送も最早当たり前のものになって久しいが、しかし高解像度・大画面のモニタに映るのは一見華やかに見えてあまり金のかかっていない絵なのだ(特にバラエティ番組は)。アナログ放送時代とは比べものにならない高解像度・高精細の映像と、ブラウン管テレビ時代には富裕層のものでしかなかった40インチ、50インチ以上の大画面テレビ、それらがあまねく一般の家庭に普及したこの時代、だがそれは別に皆が豊かになったことを意味しない、底冷えのような貧しさがキラキラしてるだけで縫製の悪いコスプレ衣装を着ているようなものなのだ……とかいうことをもっともらしく思ったりしながら、80年代初頭のマッチさんのアイドル強度はすごいなーとか中森明菜のデビュー当時のキャッチコピー「ちょっとエッチな美新人娘(ミルキーっこ)」って狂った時代って感じだしロリコンブームの影響なんだろうけど確かにこれくらいの時代だとわりとそんな雰囲気っていうかけっこうぷくぷくしてるよなーとかまあ、そんなどうでもいいことを妻と駄弁りながら見ているわけだ。

まあそれはいいんだけど、どうもね、この80年代初頭の綺羅星のようなアイドルたちの中で、柏原芳恵だけちょっと、今の目から見ると異質な気がするんだよね。ぶっちゃけこのー、夜の匂いがする。夜の匂いっていうか、水商売っぽい。それもチーママクラスじゃなくて酸いも甘いも噛み分けたママクラスのこなれ感がある。特に「ト・レ・モ・ロ」のときの衣装は、妻曰く「ママがオフの日に上得意客の一流企業専務と一緒にゴルフ旅行してる感じ」があって、いやまあこういう見方、今の時代から振り返ってみてそう見えるって話ではあるんだけど、でも当時の十代くらいのファンはどう感じていたんだろう(俺はまだ小学校入るか入らないかくらいだかあんまり記憶にない)。



曲の最後のキメ顔(2:35秒あたり)、この表情の作り方とかね、ほんとに。