NGM+その他の欲望

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高橋ヨシキ『スター・ウォーズ 禁断の真実』

スター・ウォーズ 禁断の真実(ダークサイド) (新書y)

 著者曰く、サブタイトル「禁断の真実」は営業側の要望で付けたタイトルだということで、別にそういったセンセーショナルな内容ではない。公開年ではなく、物語内の時代に沿って各作を語っていく構成(つまりep1から始まりep8までを語っていく。『ローグ・ワン』『ハン・ソロ』もそれぞれの作中年代に合わせてep3と4の間に配置)。

各作ごと、あるいはスター・ウォーズ全作を通じての突っ込んだ評論というわけではなく、著者一流の膨大な知識に裏打ちされたフワッとしたエッセイ、読み物といったところ。私自身は正直、スター・ウォーズにそれほどの思い入れがあるわけではないのだが、ep9鑑賞前のサブテキストとしてサクッと楽しく読むことができた。

 

旧三部作およびプリクウェルまではルーカスらオリジンを生み出した制作者の手にあったため、例えどんな内容であれファンは(最終的には)受け入れざるをえなかったし、制作者側も(結果はどうあれ)新しい挑戦ができた。

しかし、ルーカスの手を離れディズニーのIPとなって以降、関わるクリエイターたちはまず何よりも自らがこの超有名シリーズの新作を継ぐに相応しい者であるという正当性を、つまり自分もまた勉強熱心なファンボーイなのだということを、ファンコミュニティに対して必要以上にアピールしなければいけない状況があり、それはあまり幸福なことではないのではないか……という話が途中出てくる。これはスター・ウォーズに限らず、超有名IP(そう、“作品”というナイーブな対象ではなく“IP”というビジネスの問題だ)の続編をオリジンクリエイター以外の者が作り続けなければいけない現在のエンタメ業界全般に関しても言える話で、ちょっと気をつけて考えていく必要があることだろう。

 

ep9公開に合わせての出版ということで、急いでいたのか校正がけっこう甘い。誤記のためたぶん筆者の主張と反対のことになっている箇所が終盤にあり、そこはマイナス。